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モータースポーツ

中国人初のF1ドライバー、周冠宇に母国メディアは「夢の実現」と歓迎! 一方で欧州からは“怒り”の反応も

THE DIGEST編集部

2021.11.19

 一方、国内最大のポータルサイトのひとつである『SOHU.com』は「周が正式にF1ドライバーとなったことで、来季からのF1は中国のレース界において最もエキサイティングなイベントとなる運命にある」「周はすでに中国レース界の誇りであり、中国の全てのファンは期待を持ってF1でのパフォーマンスを楽しみにしている」とレポート。

 F1が他のカテゴリーとはあらゆる点で異なり、ルーキーが多くの苦労を味わうことになると冷静に分析しながらも、この2年間中止となっている中国グランプリの来季開催に期待を寄せた。

 このように、中国では喜びや歓迎を持って周のF1参戦が報じられ、アジア諸国においてもインドネシアの『JawaPos.com』は「周の参戦により、来季はアジアの血を引いた3人のドライバーがF1グリッドに並ぶ」と報じて、彼の他、角田裕毅(アルファタウリ)、アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)にも言及。『detiksport』は「クールだ! 2022年のF1に向けて、3人のアジア人ドライバーが戦う準備を進めている」と、こちらはストレートに喜びを示している。

 しかし、一方でシートを失うことになったアントニオ・ジョビナッツィの母国イタリアの日刊紙『Gazzetta dello Sport』は、自国ドライバーを切り捨てたチームに対して「アントニオが怒るのも当然だ」と批判的に報道。さらにSNS上に挙げられた周に対する「金でシートを買った」「ジョビナッツィの方が相応しい」などの投稿を紹介し、諸手を挙げて中国人ドライバーを歓迎していないことを示した。
 また、オーストラリアの著名なモータースポーツジャーナリストであるグレン・バトラー氏は、専門メディア『DRIVE』にて「そのニュースを聞いた時の私の反応は“怒り”だった」と記述。その理由に、母国のドライバーであるピアストリが前述の通り、今季のF2で周に36ポイント差をつけて首位を走っており、データやレース内容においても自国ドライバーが中国人ドライバーを上回り、最もF1に近い存在と見ていたことを挙げている。

 そして、周が選ばれたことについては「中国マネー」があったと断言。「F1で金が才能に勝ることは驚きでも何でもないが、それに自国ドライバーが関わる場合は、心が痛い」と心情を吐露した後、「しかし今では、来季はアルピーヌのリザーブドライバーとなることが決定したピアストリにとって、2022年までの契約となっているフェルナンド・アロンソが席を空けるのを待つ方が、時期的にもチーム状況的にも良いのではないかと思い始めた」と、気を取り直している。

 こうした見方は、日本人ドライバーにもついて回ったものだが、レース界で周の実力が認められているのは事実であり、大きくレギュレーションが変わる来季のF1で、ルーキーが新風を巻き起こせるか、要注目である。

構成●THE DIGEST編集部
 

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