対するシュネルマイスターは充実一途だ。
弥生賞(GⅡ)で2着に敗れたあとはマイル戦線に照準を絞って、NHKマイルカップ(GⅠ)を制覇。そのあと3歳の身で臨んだ安田記念(GⅠ)は0秒1差の3着に敗れたものの、上位を占めたのはダノンキングリー(牡5歳/美浦・萩原清厩舎)とグランアレグリアなのだから、落胆よりもその後に向けての期待が勝る一戦だった。
そして、秋の初戦となった毎日王冠(GⅡ)では安田記念で苦杯を飲まされたダノンキングリーをアタマ差に降して雪辱を果たし、堂々とマイル王の座へ歩を進めてきた。馬体の充実も特筆もので、前走比+8㎏という数字も示したように、夏を越してひと回りスケールアップした印象だ。
阪神コース、レース直前の長距離輸送が初体験となるのはやや気になるが、その点さえクリアすれば、おのずと勝利を我が物となるだろう。
近走の成績がいまひとつ優れないため、人気上位とはやや評価が下がるだろうが、筆者が特に強調したいのが、朝日杯フューチュリティステークス(GⅠ)の覇者で、3歳時には皐月賞(GⅠ)、日本ダービー(GⅠ)とも2着となったサリオス(牡4歳/美浦・堀宣行厩舎)だ。
追い切りは前を行く寮馬2頭を追うかたちで行なわれ、鞍上のゴーサインを受けるとラクに併入するという”らしい”動きを見せて復調ぶりをアピール。舞台がGⅠを制した阪神のマイルに移るなど、追い風も吹いている。不振に陥った馬を立て直すことにも秀でた堀調教師だけに、実績十分のサリオスもこのままで終わることはないだろう。期待値の高さも含めて、この”未完の大器”を”特注”の1頭としたい。
その他では、安定した走りを見せている19年の本レース覇者であるインディチャンプ(牡6歳/栗東・音無秀孝厩舎)、昨年の朝日杯フューチュリティステークス(GⅠ)で阪神のマイル戦を制しているフランケル産駒のグレナディアガーズ(牡3歳/栗東・中内田充正厩舎)、ホープフルステークス(GⅠ)を制して昨年の2歳チャンピオンに輝いたダノンザキッド(牡3歳/栗東・安田隆行厩舎)などのGⅠホースも多士済々だ。
また”大穴”っぽい連下候補として、パワーを要する馬場を得意とするキングカメハメハ産駒のホウオウアマゾン(牡3歳/栗東・矢作芳人厩舎)。また、昨年の阪神牝馬ステークス(GⅡ)を制し、昨春のヴィクトリアマイル(GⅠ)で2着に食い込んだ実力の持ち主で、あらたに武豊騎手を鞍上に迎えたサウンドキアラ(牝6歳/栗東・安達昭夫厩舎)を挙げておきたい。
文●三好達彦
弥生賞(GⅡ)で2着に敗れたあとはマイル戦線に照準を絞って、NHKマイルカップ(GⅠ)を制覇。そのあと3歳の身で臨んだ安田記念(GⅠ)は0秒1差の3着に敗れたものの、上位を占めたのはダノンキングリー(牡5歳/美浦・萩原清厩舎)とグランアレグリアなのだから、落胆よりもその後に向けての期待が勝る一戦だった。
そして、秋の初戦となった毎日王冠(GⅡ)では安田記念で苦杯を飲まされたダノンキングリーをアタマ差に降して雪辱を果たし、堂々とマイル王の座へ歩を進めてきた。馬体の充実も特筆もので、前走比+8㎏という数字も示したように、夏を越してひと回りスケールアップした印象だ。
阪神コース、レース直前の長距離輸送が初体験となるのはやや気になるが、その点さえクリアすれば、おのずと勝利を我が物となるだろう。
近走の成績がいまひとつ優れないため、人気上位とはやや評価が下がるだろうが、筆者が特に強調したいのが、朝日杯フューチュリティステークス(GⅠ)の覇者で、3歳時には皐月賞(GⅠ)、日本ダービー(GⅠ)とも2着となったサリオス(牡4歳/美浦・堀宣行厩舎)だ。
追い切りは前を行く寮馬2頭を追うかたちで行なわれ、鞍上のゴーサインを受けるとラクに併入するという”らしい”動きを見せて復調ぶりをアピール。舞台がGⅠを制した阪神のマイルに移るなど、追い風も吹いている。不振に陥った馬を立て直すことにも秀でた堀調教師だけに、実績十分のサリオスもこのままで終わることはないだろう。期待値の高さも含めて、この”未完の大器”を”特注”の1頭としたい。
その他では、安定した走りを見せている19年の本レース覇者であるインディチャンプ(牡6歳/栗東・音無秀孝厩舎)、昨年の朝日杯フューチュリティステークス(GⅠ)で阪神のマイル戦を制しているフランケル産駒のグレナディアガーズ(牡3歳/栗東・中内田充正厩舎)、ホープフルステークス(GⅠ)を制して昨年の2歳チャンピオンに輝いたダノンザキッド(牡3歳/栗東・安田隆行厩舎)などのGⅠホースも多士済々だ。
また”大穴”っぽい連下候補として、パワーを要する馬場を得意とするキングカメハメハ産駒のホウオウアマゾン(牡3歳/栗東・矢作芳人厩舎)。また、昨年の阪神牝馬ステークス(GⅡ)を制し、昨春のヴィクトリアマイル(GⅠ)で2着に食い込んだ実力の持ち主で、あらたに武豊騎手を鞍上に迎えたサウンドキアラ(牝6歳/栗東・安達昭夫厩舎)を挙げておきたい。
文●三好達彦