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チャンピオンズカップの本命にソダシを「推しきれない」理由。テーオーケインズが最有力候補か

三好達彦

2021.12.03

 血統的にこれだけ巧者が揃っていれば、ソダシが「ダートを走らないはずがない」と考えるのは自然なことだろうし、フットワークも力感に溢れるもので、ダート適性の高さが感じられるのも確か。そして古馬の牡馬・セン馬と比べて3㎏軽い54㎏という斤量も有利だろう。

 それでも筆者はどうしても本命にまでは推しきれない。それは、やはり初ダートと、最内の1番という枠順に理由がある。

 過去7年を振り返ると本レースを制した3歳馬は2頭いるが(18年のルヴァンスレーヴと19年のクリソベリル)、それはいずれも牡馬で、すでにダートのGⅠ(JpnⅠ)を勝った実績を持つ名うての巧者だった。このことから分かるように、初ダートのGⅠ戦はかなりハードルが高いと考える。

 さらに最内枠からのスタートで、前の馬のキックバックをかなり浴びるであろうことも気がかりな点だ(逃げれば別だが)。

 筆者は“押さえ”の評価にとどめておきたい。
 
 結論を急ごう。

 本命に推したいのは、6月の帝王賞(JpnⅠ)を制したテーオーケインズ(牡4歳/栗東・高柳大輔厩舎)。小回りコースで出遅れるビハインドが響いた前走のJBCクラシック(JpnⅠ)の4着は度外視。帝王賞で一気に前の数頭を交わして、2着に3馬身差を付ける圧勝を遂げた際の爆発的な末脚は中京コースで活きてくるはずで、4歳という、まだ伸びしろを残す若さもリベンジの後押しをしてくれるはずだ。

 対抗は、昨年の勝ち馬であり、今年のドバイワールドカップ(GⅠ)で2着に食い込んだチュウワウィザード(牡6歳/栗東・大久保龍志厩舎)。帰国後の帝王賞で6着に敗れたあと、指骨の剥離骨折が判明。復帰戦となった約4か月ぶりのJBCクラシックを3着として、ひと叩きされた効果もあって調子を上げている。実績的には図抜けているので、怪我の前までコンディションを戻りさえすればアッサリと連覇を達成するシーンも有り得る。

 気ムラだが、ポテンシャルは高いカフェファラオ(牡4歳/美浦・堀宣行厩舎)。中京のダートで重賞2勝を挙げているオーヴェルニュ(牡5歳/栗東・西村真幸厩舎)。ベテランと呼ばれる年齢になっても安定した走りを保っているクリンチャー(牡7歳/栗東・宮本博厩舎)。この3頭を前出のソダシとともに“押さえ”と評価したい。

 また唯一の地方所属馬で、ダートグレードJpnⅠで2勝を挙げているカジノフォンテン(牡7歳/船橋・山下貴之厩舎)にも注目を。素直に見れば距離は長いだろうが、今回初めて鞍上に迎えるミルコ・デムーロ騎手の剛腕でどこまで粘れるか。いち競馬ファンとともに応援したいと思っている。

文●三好達彦

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