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2年目のF1に気合十分の角田裕毅!トスト代表は1年目の過ちを「正常」と強調、ガスリーは「信じている」と信頼示す

THE DIGEST編集部

2022.01.10

「我々と秋のテストを行ない、ミサノ、イモラでの幾つかのプライベートテストで車、スピード、ブレーキに慣れた彼は、非常に速く、全てが正常だった。そしてバーレーンでの合同テストでも彼は速く、開幕戦では9位入賞と、全てが素晴らしかった。しかし、彼はこの時、限界を越えていた。だから、すぐにクラッシュが起こるのは明白だった」

「それは、これまでのどの若いドライバーにも見られたことだ。我々は彼に、『君は限界点にいる』と伝えたが、この時のユウキの心の内はすぐに分かった。彼は『F1はそれほど難しくない』と考えていた。そして、彼は(第2戦の)イモラで良い車に乗り、さらにスピードを出して、クラッシュした。それは私にとって、辻褄の合うものだった」

「さらに決勝レースで、彼はドライラインにいたルイス・ハミルトン(メルセデス)をウェットラインで追い抜こうと仕掛け、言うまでもなくスピンした。これは、経験のない若いドライバーがやりがちなことだ。経験豊富なドライバーであれば、相手がハミルトン(もしくはメルセデスのドライバー)であれば、注意深く様子を見るものだ。しかし、ユウキには、『ただ追い抜きたい』という思いしかなかった」
 
 トスト代表は、印象深かった場面としてモナコGPを挙げ、「FP1でユウキが素晴らしいパフォーマンスを見せた時(最高タイムが9番手)、『FP2では気を付けるように』と注意したところ、彼は『もっと速く走れる』と答え、それに対して我々は『いや、より速く走れば、君はウォールに当たる』と警告したが、案の定、彼はクラッシュした。ここで彼は、『F1は思った簡単ではない』と考え始めた。何かを変えなければならない時だった」と振り返る。

「ユウキはショックを受け、F1が彼にとって速すぎるのか、複雑すぎるのか、悩んだようだが、これは全てのドライバーが経験するものだ。マックス(フェルスタッペン/レッドブル)も2015年のモナコでクラッシュを経験しており、それは正常なものだ。必要なのは何が悪かったのかを理解すること。そして、ミスをせずに多くの周回を重ねることで、自信を取り戻すことだ。ユウキもそうして立ち直った」

 ガスリーもまた、角田の1年目を「ルーキーにとって楽なシーズンではなかった」と振り返った上で、「彼はアブダビGPで良いペースを示した。2年目のF1は、ほとんどの場合、ドライバーにとってはより簡単なものとなる」と楽観的な展望を示し、コンストラクターズランキングの争いにおいては、2人のドライバーがコンスタントに結果を残す必要があるとして、「ユウキを信じている」とチームメイトに信頼を寄せている(オランダのF1専門メディア『FORMULE1』より)。

 幾らか高い授業料となったかもしれないが、明らかに無駄ではなかったと思われる経験を経て、真価を問われる2年目に臨む角田。昨季の良さを保ちながらも、経験を感じさせるパフォーマンスでチームに貢献できるか、注目したい。

構成●THE DIGEST編集部

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