専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
ラグビー

コロナ禍に苛まれ、チーム名も難解…逆風スタートの「リーグワン」は、あのラグビーW杯の熱狂を取り戻せるか?

吉田治良

2022.01.18

 16チーム構成だったTLに対して、リーグワンの最上位カテゴリーであるディビジョン1が12チーム構成となったのは、高質で拮抗した試合を増やし、日本ラグビーのクオリティを世界水準に近づけるためだ。しかし、オミクロン株が猛威を振るうなか、各チームのコンディションにバラつきがある状況が続けば、それも難しくなるだろう。

 2節を終えた段階で、陽性者を出してメンバーを揃えられなかった埼玉ワイルドナイツ(旧パナソニック/略称:埼玉WK)と静岡BRは、まだリーグワンのピッチにも立っていない(3節の静岡BR対東京SG戦もすでに中止が決定)。この2チームについては試合延期などの特別措置もなく、2試合とも勝点0扱いとなる。対戦相手には不戦勝で勝点5が与えられる規定だが、果たして、これで正しく実力を反映した優勝争いが展開されるのだろうか。TLラストイヤーだった昨年の覇者で、リーグワン初代王者の有力候補でもあった埼玉WKは、戦わずしていきなり窮地に立たされている。

 思えば、19年W杯直後のTL2020も、新型コロナウイルスの蔓延によって途中で打ち切られ、空前のラグビーブームに水を差された。
 
 颯爽と檜舞台に上がろうとした矢先に、いつも階段を外される。またしてもコロナにその行く手を阻まれた日本ラグビー。もはや不運の二文字で片付けてしまうのも忍びない。

 一方で、各クラブがホストエリア(ホームタウン)を設定し、チーム名に地域名を組み込んだのは、企業色が強かったTL時代とは異なるリーグワンの特色だ。JリーグやBリーグの地域密着に倣い、「地元の結束、一体感の醸成」をミッションのひとつに掲げている。

 チーム名が長くなり(NTTシャイニングアークス東京ベイ浦安など)、略称が分かりづらい(SA浦安やGR東葛など)点が指摘され、また「東京」を冠するチームが5つもあることも難解さに拍車を掛けているが、それでもラグビーを文化として根付かせる上では、浸透に時間がかかっても取り組むべきミッションに違いない。
 

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号