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ラグビー

コロナ禍に苛まれ、チーム名も難解…逆風スタートの「リーグワン」は、あのラグビーW杯の熱狂を取り戻せるか?

吉田治良

2022.01.18

 現状、味の素スタジアムはFC東京の本拠地であって、東京SGは“間借り”をしている印象が強い。できれば試合開催日だけでも、最寄りの飛田給駅や、スタジアムに通じる道路沿いに東京SGのフラッグくらいは掲げてほしいし、そうした取り組みがなければ、これもリーグワンのミッションのひとつである「ファンが熱狂する非日常空間の創造」も難しいだろう。

 またチーム名にしても、ピッチに立つ選手たちから「サントリー、次行こう‼」といった声が飛んでいるうちは、一般には浸透しないと思う。意識を変えるべきは、まず選手からだ。

 ただ、課題は多いとはいえ、リーグワンがピッチレベルでの魅力に乏しいリーグかと言えば、決してそんなことはない。この日、もっとも観衆を魅了したのは、東京SGの新戦力で、現役オールブラックスのFB(フルバック)、ダミアン・マッケンジー。鋭い縦への突破と多彩なキックを駆使しながら、日本代表のSH(スクラムハーフ)流大や中村亮とともにスピード感溢れるアタッキングラグビーをリードし、1トライ、1PG、6Gで文句なしのマン・オブ・ザ・マッチに輝いた。

 プレースキックの際に笑みを浮かべるルーティンから“微笑みの貴公子”と呼ばれるユーティリティーバックスは、難しい角度からのコンバージョンを易々と沈め、ワールドクラスの実力を証明したが、リーグワンには彼を筆頭に一流の外国人選手が少なくない。しかもTL時代は2人までだった外国代表歴のある選手の出場枠が3人に増えたことで、リーグ全体のレベルは間違いなくアップするはずだ。
 
 そして、彼らに触発されて日本人選手も──。印象的だったのは、東京SGのPR(プロップ)石原慎太郎のコメントだ。

「向こう(トヨタV)は外国人を9人(日本代表有資格者なども含めて)も使ってきましたが、僕らとしてはそれに負けたくないし、負けてはいけないと思っていました。チームにもポテンシャルの高い日本人選手はたくさんいて、外国人選手とのコンペティションに勝ってしっかりスタメンに入っている。やっぱり日本のリーグなので、日本人が結果を出していくことが大事だと思っています」

 立ち上げからコロナ禍に苛まれる不運なリーグワン。ピッチ内外で改善すべき点も少なくはないが、希望は世界を見据える選手たちのモチベーションかもしれない。

「日本ラグビーの世界への飛躍」──日本ラグビーの質と技量の常なる向上を図り、世界に、ラグビーの新たな魅力と驚きをひろげる。

 これもまた、リーグワンが掲げるミッションのひとつだ。

取材・文●吉田治良(スポーツライター)

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