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マラソン・駅伝

箱根駅伝が示した“超高速化”の波。大学新記録が10校!タイムの概念を覆した「青学基準」とは?

生島淳

2022.01.25

10時間43分42秒の大会新記録で優勝した青学大は、出場しなかった選手の記録も凄い。写真:JMPA

10時間43分42秒の大会新記録で優勝した青学大は、出場しなかった選手の記録も凄い。写真:JMPA

●青学大は何人まで強いのか?

 中でも部内競争が激しいのが青学大。原晋監督は「ウチは上位20人までは、誰が走ったとしても同じような力が発揮できるでしょう」と話していた。

 それが実証されたのが、1月9日に行なわれたハイテクハーフマラソン。箱根駅伝を走れなかった選手たちが多数出場した大会で、青学大は層の厚さを見せつけた。62分台で走った選手たちが、なんと7名もいたのだ。

関口雄大(3年)1時間2分26秒1位
田中悠登(1年)1時間2分33秒2位
横田俊吾(3年)1時間2分36秒4位
鶴川正也(1年)1時間2分44秒5位
山内健登(2年)1時間2分45秒6位
目片将大(3年)1時間2分51秒7位
西久保遼(3年)1時間2分58秒8位

 西久保は、昨年の関東インカレ2部のハーフマラソンの優勝者。田中は11月に行なわれた世田谷246ハーフマラソンを制している。
 
 また九州学院高時代に世代トップとも言われた鶴川、1年生の時に全日本での出場経験を持つ山内は箱根駅伝のメンバーには入っていなかったが、この結果を見ると、たしかに誰が走っても大会新記録が出たのではないか……と考えられる強さだ。

 加えて、63分台で走った選手たちも6人おり、もしも他校に行ったとしたら、往路に起用されてもおかしくない力量を持っている。

 卒業する主将の飯田貴之はいう。

「この4年間で、長い距離に関しては青学のレベルはムチャクチャ上がりました。もちろん、距離走を重視していることもあるとはいえ、朝の各自ジョグでも1km3分が当たり前になりましたから、来年度以降もスタンダードは下がらないと思います」

 2022年に示された「青学基準」。

 さて、このスタンダードに他校が追いつけるかどうかが、次回以降の箱根駅伝の鍵となりそうだ。

取材・文●生島淳

【著者プロフィール】
いくしま・じゅん/1967年気仙沼生まれ。海外ではNBAやMLB、国内ではラグビー、駅伝、野球等、幅広くスポーツを追うジャーナリスト。駅伝関係の著書には『監督と大学駅伝』(日刊スポーツ出版社)、『箱根駅伝』『箱根駅伝 新ブランド校の時代』(ともに幻冬舎新書)、『箱根駅伝 勝利の方程式』『箱根駅伝 勝利の名言』 (ともに講談社+α文庫)など多数ある。

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