残念ながら勝負を賭けた3日目に「77」とスコアを崩したが、注目すべきは最終日のプレーだ。首位と11打差あったものの、松山の表情に上位進出をあきらめた雰囲気はなかった。「65」「66」のビッグスコアを出すことしか考えておらず、積極的にピンを狙いにいったという。
成功すればバーディラッシュになるが、一つ間違えれば難しいアプローチが残りやすく、ボギートレインに乗ってしまう危険もある。こうしたことを頭に入れたうえで、スタートの1番からピンをデッドに攻めたものの、バーディパットは決まらなかった。
続く2、3番ではアプローチも寄らずにボギーを叩いたが、松山は怯まない。あくまでも攻めの姿勢を貫き、4、5番でバーディを奪い返した。結局、5バーディ・5ボギーの「72」でホールアウトとなったが、一つ間違えればこの日「64」をマークしたローリー・マキロイ(北アイルランド)のような内容になっていたかもしれない。
もちろん勝負事にタラレバは禁物だが、そう期待せざるを得ない何かが最終日のプレーには見られた。
優勝を狙う準備としては不十分だったかもしれないが、それを言い分けにせず、最後まで攻め続けた松山。その姿は、ディフェンディングチャンピオンとしての威厳すら感じさせた。だからこそ、最終18番ホールを上がってくる松山に対し、グリーンを囲んだ大勢のパトロンがスタンディングオベーションで出迎えたのではないか。
“たかが14位”と思う人もいるだろう。しかし、コンディションが悪い中、攻めの姿勢を崩さずに得た14位というポジションは讃えられてもおかしくない。メジャーでトップ15に入ることがどれだけ尊いか。残り3試合のメジャーにも十分つながる、“されど14位”なのだ。
文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。
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成功すればバーディラッシュになるが、一つ間違えれば難しいアプローチが残りやすく、ボギートレインに乗ってしまう危険もある。こうしたことを頭に入れたうえで、スタートの1番からピンをデッドに攻めたものの、バーディパットは決まらなかった。
続く2、3番ではアプローチも寄らずにボギーを叩いたが、松山は怯まない。あくまでも攻めの姿勢を貫き、4、5番でバーディを奪い返した。結局、5バーディ・5ボギーの「72」でホールアウトとなったが、一つ間違えればこの日「64」をマークしたローリー・マキロイ(北アイルランド)のような内容になっていたかもしれない。
もちろん勝負事にタラレバは禁物だが、そう期待せざるを得ない何かが最終日のプレーには見られた。
優勝を狙う準備としては不十分だったかもしれないが、それを言い分けにせず、最後まで攻め続けた松山。その姿は、ディフェンディングチャンピオンとしての威厳すら感じさせた。だからこそ、最終18番ホールを上がってくる松山に対し、グリーンを囲んだ大勢のパトロンがスタンディングオベーションで出迎えたのではないか。
“たかが14位”と思う人もいるだろう。しかし、コンディションが悪い中、攻めの姿勢を崩さずに得た14位というポジションは讃えられてもおかしくない。メジャーでトップ15に入ることがどれだけ尊いか。残り3試合のメジャーにも十分つながる、“されど14位”なのだ。
文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。
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