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【天皇賞・春】7馬身差で逃げ切りの圧勝! 真のステイヤーはタイトルホルダーだけだったのか?

三好達彦

2022.05.03

 タイトルホルダーは最初のコーナーを先頭で通過したレースは、これで5戦5勝。逃げれば強いG1ホースが、前に有利なこの日のトラックバイアスも味方につけての圧勝、というのが「解」だったわけである。これからは2000~2400mあたりの中距離戦への対応力が試される。

 本馬の父は、2015年のクラシックで春季二冠を制した名馬で、昨年の8月に急死したドゥラメンテ。先日の桜花賞を制したスターズオンアース(牝3歳/美浦・高柳瑞樹厩舎)に続いて、ことし二つ目のG1制覇となった。つくづく早世が悔やまれるが、ゆくゆくはタイトルホルダーがその後継種牡馬になってくれるよう期待したい。
 

 横山和生騎手はデビュー12年目にしてのG1初制覇で、祖父・富雄さん(1971年のメジロムサシ)、父・典弘騎手(1996年のサクラローレル、2004年のイングランディーレ、2015年のゴールドシップ)に次いで、天皇賞・春の親子三代制覇という快挙も達成した。

 父の典弘騎手は、前記のイングランディーレでの天皇賞・春に加え、1998年のセイウンスカイでの菊花賞制覇と、思い切った飛び出しと絶妙なペース配分を絡め合わせた長距離戦での逃げの名手としても知られるところ。和生騎手のこの勝利から、父譲りのサムシングをかぎ取ったファンも多かったのではないだろうか。

 昨年は79勝を挙げてリーディング上位として定着したところでのG1初制覇。先にブレイクした弟の武史騎手との競り合いも楽しみになってきた。

 昨年と2年連続の1番人気で2着に敗れたディープボンについて、和田竜二騎手が「向正面で手応え的にしんどくなった」と振り返っている。傍目にはステイヤーとしての資質が高いように見えるが、実はそれは思い込みで、本質は2400m前後の距離に向くのかもしれない。

 テーオーロイヤルは、GⅠ初挑戦というキャリアを考えれば、この3着は先々に期待を持たせる内容と評価していいだろう。年齢はまだ4歳。伸びしろは十分にある。

 ちなみに1~3着は日高産の馬たち。これは3200mという、唯一の長距離G1の特異さを表しているのかもしれない。

取材・文●三好達彦
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