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バレーボール

お茶の間を賑わせたデータバレーが再び!?“新・真鍋ジャパン”の秘策とは?「オールジャパン体制」で再びメダル獲得へ挑む

北野正樹

2022.05.25

 そして「世界の中で平均身長が低い日本が、団結力なしには目標を達成することは出来ない。目に見えない力が必要になってくる。アシストの意識に加え、打つ人が責任を持つことが、5番目の団結力につながるんです」と明かす。

 東京五輪で、日本女子はサーブ、サーブレシーブともにトップ10入りした選手はおらず、高い目標設定だが、眞鍋監督は「サーブは、命。サーブレシーブでは、女子で優勝した米国が、10位以内に3人(1、4、5位)も入っている」とサーブレシーブの重要性を説く。

 データ分析をもとに、打つコースやボールの回転数、変化を加える戦術的なサーブや、レシーブも正確にセッターに返す精度を高めたり、オーバーハンドパスの技術を磨くことで、活路を開くことが出来るだろう。ハードルは高いが、裏を返せばサーブとサーブレシーブでトップ10入りをしないことには、「身長が低い日本が、世界と同じことをしても勝てない。日本のオリジナルを追求したい」という眞鍋戦略は絵にかいた餅になりかねない。

 男子バレーからのヒントもあった。東京五輪の解説で見た優勝のフランスと、3位アルゼンチンの戦いぶりだ。「両チームとも、身長は低いがアタックのシャット率は低く、サーブミスも少ない。失点も少なく結束力も高い。女子バレーのヒントがたくさんあり、日本のお手本になった。小よく大を制す、です」と振り返る。
 
 コートサイドで、iPadを片手に選手に指示を出す姿で、お茶の間でもお馴染みとなった眞鍋監督。日本のデータバレーの先駆者とも言われ、今回も、アナリストとしてロンドン五輪でチームに貢献した渡部啓太さんが、監督付特命情報戦略ディレクターとしてチームを支える。

 データ分析から弱点を補い、長所を伸ばす戦術を生み出すのが眞鍋バレー。パリ五輪に向け「MB1」や「ハイブリッド6」を発展させた戦術が予想されるが、眞鍋監督は「今回はMB1をする必要が、ないんです」と意外なことを言う。

「ミドルブロッカーの攻撃力が、これまでの代表は低くて点数が取れなかったのですが、今のミドルはいい選手が揃っているんですよ」。

 VNL登録メンバー25人のうち、MBはベテランの島村春世(NEC)ら7人。このうち、小川愛里奈(東レ)はV1リーグレギュラーラウンドでアタック決定率3位で、日本人選手トップの49.5%。山田二千華(NEC)は全体で6位、日本人選手で2位の46.7%だ。

 ブロック決定本数でも、横田真未(デンソー)は全体の9位(日本人選手3位)、山田は全体で12位(同4位)の数字を残している。184センチの山田は東京五輪メンバーだが出場機会は少なく、小川(178センチ)、横田(177センチ)は代表初選出。しかし、V1リーグでの実績をもとに眞鍋監督の期待は高く、この3人は島村とともに予選第1週のアメリカ大会と第2週のフィリピン大会の遠征メンバーに選ばれた。
 
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