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バレーボール

お茶の間を賑わせたデータバレーが再び!?“新・真鍋ジャパン”の秘策とは?「オールジャパン体制」で再びメダル獲得へ挑む

北野正樹

2022.05.25

 MBを生かすためにも急務なのが、チームの司令塔・セッターの育成。今年度の登録メンバー39人中、セッターは7人で、VNL登録は宮下遥(岡山)、松井珠己(デンソー)、関菜々巳(東レ)、柴田真果(JT)の4人。

 宮下以外に4大大会に出場経験はないが、2度目の代表登録メンバー選出の松井は速い攻撃とMBを生かすトスが持ち味で、「前回より自信を持って参加している。テンポのよい攻撃と強気のプレーでチームに貢献したい」と語り、関も「MB攻撃を世界に通用する武器に磨き、多彩なトスワークでファンをワクワクさせるプレーを見せたい」と意気込む。

 東京五輪で主セッターを務めた籾井あき(JT)は、今回のVNLメンバーから漏れたが、眞鍋監督は9月の世界選手権に向け今後、起用する意向を持っており、高いレベルでの競争を促す考えだ。

 5つの目標に加え、もうひとつのキーワードが、「オールジャパン体制」だ。その中でも眞鍋監督の秘策のひとつが、ロンドン五輪銅メダルメンバーに代表の練習への参加や助言を求める「アントラージュ from ロンドン」で、メダルを取るためにどの様な準備をして、どう臨んだのかを当時のメンバーに語ってもらう。

「チームの弱点は、国際大会の経験が少ないこと。目標達成のためには、我々スタッフだけの力では無理。私がアドバイスをするより、成功体験を現役選手に直接、アドバイスした方が当然、選手のモチベーションが上がります」と狙いを話す。
 
 5月20日までサンアリーナせんだい(鹿児島県薩摩川内市)で行なわれた第3回国内合宿には、当時のセッター竹下佳江さん、ウイングスパイカーの迫田さおりさん、リベロの佐野優子さんらが練習に参加した。当時のメンバーと眞鍋監督は、LINEグループで繋がっており、アントラージュのメンバーには五輪開幕直前に肉親の病気で緊急帰国した石田瑞穂(現デンソー・アドバイザリースタッフ)も含まれている。

 帰国する石田にチームメートがお守りを贈り、迫田は石田のユニホームを重ね着していたという結束力が当時のメンバーにはあった。メダルメンバーではない石田を、今もメンバーとして迎えるあたりは、団結力を大切にする眞鍋監督らしいところ。

 チームの監督付戦略アドバイザーも務める竹下さんには、ロンドン五輪以降、固定出来なかったセッターへの指導も委ねる。眞鍋監督は「(代表セッターは)トスの安定と視野が広いこと。世界の一流はディフェンスがいい」といい、「彼女の鋭い観察力で早くセッターを固定したい」と期待を込める。

 また、「女子バレーを知り尽くしている」と眞鍋監督が評する、V1女子岡山シーガルズの河本昭義監督ら、指導者の助言や指導も求める考えだ。そこには、すべての力を結集して「日本女子バレーの緊急事態」(眞鍋監督)を乗り切る「オールジャパン体制」の考えがある。
 
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