第1戦の2回、その左フックで目を骨折し、相手が何重にも見えるという不利に見舞われながら、以降の井上は同じパンチはもらわなかった。プロ入り後では初めてと呼べる修羅場でも、試合中にそれだけの適応をやり遂げて見せた。だとすれば、2年半の時を経て迎える今戦ではより綿密に準備し、最高の対策を練ってくるのは容易に想像できる。
初対決の11ラウンドに決定的なダウンシーンを生み出した井上のボディブローは、より早い段階から重要な武器となっていくだろう。元来打たれ強く、上の階級でも豊富な実績を誇るドネアはキャンバスにひれ伏してのKO負けは拒否し、プライドは守り続ける。それでも最後は11月についに40歳になるドネアの健康を憂慮したコーナーがストップ。そんな流れ、展開を辿り、井上が終盤TKOで宿敵への返り討ちを果たすと予想している。
キャリア晩年とはいえ、アメリカでも最大級のネームバリューを誇る軽量級選手を明白に下すことは、井上の今後のキャリアに大きな恩恵をもたらすことだろう。同時にここで再び井上の前に屈したとしても、ドネアの歴史的評価に影響はあるまい。試合後、敗れても常に男前のドネアはいつも通りに素直に井上を称え、周囲を感動させるに違いない。
“ドラマ・イン・サイタマ2”は、前回ほどの“ドラマ”にはならないかもしれない。それでも最終的には、誰にとっても後味のいい結末になることは約束されているように思えてくるのである。
文●杉浦大介
【著者プロフィール】
すぎうら・だいすけ/ニューヨーク在住のスポーツライター。MLB、NBA、ボクシングを中心に取材・執筆活動を行う。著書に『イチローがいた幸せ』(悟空出版 )など。ツイッターIDは@daisukesugiura。
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キャリア晩年とはいえ、アメリカでも最大級のネームバリューを誇る軽量級選手を明白に下すことは、井上の今後のキャリアに大きな恩恵をもたらすことだろう。同時にここで再び井上の前に屈したとしても、ドネアの歴史的評価に影響はあるまい。試合後、敗れても常に男前のドネアはいつも通りに素直に井上を称え、周囲を感動させるに違いない。
“ドラマ・イン・サイタマ2”は、前回ほどの“ドラマ”にはならないかもしれない。それでも最終的には、誰にとっても後味のいい結末になることは約束されているように思えてくるのである。
文●杉浦大介
【著者プロフィール】
すぎうら・だいすけ/ニューヨーク在住のスポーツライター。MLB、NBA、ボクシングを中心に取材・執筆活動を行う。著書に『イチローがいた幸せ』(悟空出版 )など。ツイッターIDは@daisukesugiura。
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