大阪杯でのメジロマックイーンを目にしたライスシャワー陣営は、その強さにあらためてショックを受ける。そして、通り一遍の稽古では王者は倒せないと悟り、愛馬を限界近くまで追い込むような厳しいトレーニングを課していく。その鬼気迫る様子は、記者たちを心配させるほどだった。
そしてライスシャワーもスタッフの気迫を感じ取ってか、レースに向かって日々、テンションを上げていく。
的場は当時のライスシャワーを「馬房に近付くのも怖くなるような迫力で、心身ともにぎりぎりまで研ぎ澄まされていた」と評している。
レース当日、威風堂々と落ち着き払ったメジロマックイーンに対して、デビュー以来の最少体重である430㎏にまで絞り込まれたライスシャワーは、その小柄な体から周囲を威圧するようなオーラを発し、目には狂気の色さえ滲ませていた。
単勝オッズは、メジロマックイーンが1.6倍で圧倒的な1番人気に推され、ライスシャワーは5.2倍と離された2番人気に甘んじてスタートを迎えた。
前年の有馬記念を逃げ切ったメジロパーマーがハナに立つと、メジロマックイーンは3~4番手の好位置を取り、ライスシャワーはそれを目前に見られる5~6番手を追走。緩みなくレースは流れ、馬群はペースを上げながら最終コーナーを回る。
直線へ向くと、バテたメジロパーマーを交わして、メジロマックイーンが難なく先頭に躍り出る。しかしその後ろにはスナイパーの影が迫っていた。ゴーサインを受けたライスシャワーは弾けるように末脚を爆発させると、メジロマックイーンに抵抗する暇を与えず一気に抜き去り、2馬身半もの差を付けてゴールへ飛び込んだ。走破タイムの3分17秒1はJRAレコードだった。
しかしレース後に競馬場を覆った空気は、前年の菊花賞のそれと似ていた。多くのファンはメジロマックイーンの3連覇が阻止されたことに落胆し、ライスシャワーの勝利を祝福する声は極めて少なかった。
彼はまたも「ヒール(悪役)」の看板を背負わされたのだった。
そしてライスシャワーもスタッフの気迫を感じ取ってか、レースに向かって日々、テンションを上げていく。
的場は当時のライスシャワーを「馬房に近付くのも怖くなるような迫力で、心身ともにぎりぎりまで研ぎ澄まされていた」と評している。
レース当日、威風堂々と落ち着き払ったメジロマックイーンに対して、デビュー以来の最少体重である430㎏にまで絞り込まれたライスシャワーは、その小柄な体から周囲を威圧するようなオーラを発し、目には狂気の色さえ滲ませていた。
単勝オッズは、メジロマックイーンが1.6倍で圧倒的な1番人気に推され、ライスシャワーは5.2倍と離された2番人気に甘んじてスタートを迎えた。
前年の有馬記念を逃げ切ったメジロパーマーがハナに立つと、メジロマックイーンは3~4番手の好位置を取り、ライスシャワーはそれを目前に見られる5~6番手を追走。緩みなくレースは流れ、馬群はペースを上げながら最終コーナーを回る。
直線へ向くと、バテたメジロパーマーを交わして、メジロマックイーンが難なく先頭に躍り出る。しかしその後ろにはスナイパーの影が迫っていた。ゴーサインを受けたライスシャワーは弾けるように末脚を爆発させると、メジロマックイーンに抵抗する暇を与えず一気に抜き去り、2馬身半もの差を付けてゴールへ飛び込んだ。走破タイムの3分17秒1はJRAレコードだった。
しかしレース後に競馬場を覆った空気は、前年の菊花賞のそれと似ていた。多くのファンはメジロマックイーンの3連覇が阻止されたことに落胆し、ライスシャワーの勝利を祝福する声は極めて少なかった。
彼はまたも「ヒール(悪役)」の看板を背負わされたのだった。