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「これからは金メダルを狙う」――日本人初の“快挙”を成し遂げたサニブラウンの挑戦!「世界一」を目指す覚悟

酒井政人

2022.07.28

進化を止めないサニブラウン(中央)。夢の実現に向けて再び動き出した。(C)Getty Images

進化を止めないサニブラウン(中央)。夢の実現に向けて再び動き出した。(C)Getty Images

 一方、今回のリアクションタイムは準決勝が0.124秒、決勝は0.147秒。予選(0.112秒)からタイムを落とすかたちになったが、サニブラウンの進化した部分になるだろう。

 ただし、決勝でメダルを獲得した3人はいずれも0.11秒台(0.119秒、0.118秒、0.110秒)。サニブラウンは決勝に進んだ8人中7番目だった。

「決勝で戦うためには、1本目の準決勝を(悠々と)走って、2本目(の決勝)でしっかり合わせられる強さが必要です。こんなところで記憶が飛んでいちゃ、ダメですね(笑)。結果としては悔しいレースになったんですけど、全力を出し切ることができました」

「昨年はケガをして全然ダメで、ここまでよく戻ってこられたかな。今回ファイナルを経験できて、来年の世界陸上に向けて、いいスタートが切れました。これからは金メダルを狙って、来年はアメリカ勢のワン・ツー・スリーを崩せるように頑張っていきたいです」

 2位のマーヴィン・ブレイシーと3位のトレイヴォン・ブロメルはチームメイトだ。彼らと米国フロリダの地で競い合っているサニブラウンはメダリストとの違いを日々実感している。

 それでも「金メダル」というワードが出たということは、その可能性を感じているからだろう。
 
 東京・城西高2年だった2015年の世界ユース選手権で100メートル・200メートルの2冠を達成。同年、200メートルで史上最年少の世界陸上出場、さらには準決勝に進出した。2017年のロンドン世界陸上200メートルは史上最年少でファイナルに進み、7位に入った。サニブラウンは同世代で間違いなく世界ナンバー1のスプリンターだった。

 この数年はケガもあり停滞したが、日本が誇るダイヤモンドアスリートはまだ23歳。夢の「世界一」に向かって、再び動き出した。2023年はブダペスト世界陸上、2024年はパリ五輪、2025年には東京世界陸上が開催される。“夢”の実現を期待せずにはいられない。

取材・文●酒井政人

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