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ゴルフ

“フィーバー”から3年――。全英女子OPにツアーメンバーに返り咲く「スマイル・シンデレラ」渋野日向子の現在地

山西英希

2022.08.03

 渋野のゴルフを数字的に見ると、今季初の予選落ちを喫した『パロスバーデス選手権』終了時点では、パーオン率が72.44パーセント(27位)、フェアウェイキープ率が78.29パーセント(32位)だった。しかし、現在はパーオン率が70.47パーセント(48位)、フェアウェイキープ率が78.79パーセント(34位)となっている。

 パーオン率が若干落ちたが、フェアウェイキープ率の数字はむしろ上がっている。渋野のスイングについてはさまざまに論じられているが、レベルの高い米女子ツアーでこの数字ならとくに問題はないだろう。

 ただ、平均パットが30.12(95位)から30.51(116位)まで落ちてしまったのはいただけない。やはり、米国で生き残るにはパッティングがある程度上手くなければ難しいからだ。ちなみに、畑岡奈紗は29.35(15位)、笹生優花は29.63(26位)、古江彩佳は29.69(31位)となっている。

 できれば、渋野も29台にまで上げてほしいところ。予選落ちした『アムンディ・エビアン選手権』でパットに泣き、前週の『スコットランド女子オープン』でも2日目に3パットを3回喫している。「パッティングの練習はやっておかないと。ショットはクラブを振る練習と引っ掛けのミスを防ぐ練習をしておきます」と語っていたが、パットが不振という自覚があることがせめてもの救いだ。
 
 歴代チャンピオンである『AIG女子オープン』では注目を集めるのは必至。リンクスコースとは当初あまり相性がよくなかったが、最終的に34位タイになった昨年大会では、2日目を終えた時点で首位と3打差の12位タイと粘っていた。

 今年はリンクスでも屈指の難易度を誇るミュアフィールドが舞台となるが、いくら世界のトップが集まるといえ、そう簡単に好スコアが出るコースではない。どこまで我慢できるかが上位に行けるかどうかのポイントになりそうだ。

 渋野の場合、周囲の期待がそれほど大きくないときに好結果を出す傾向があるものの、まずはしっかりと決勝ラウンドに進むことが先決だろう。

文●山西英希 
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、07年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

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