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ゴルフ

“華麗なる逆転劇”を見せた新世紀世代の山下美夢有。出場権を手にした「全英女子」での可能性は?

山西英希

2022.06.13

トロフィーを掲げながらピースサインする山下。4打差をひっくり返しての逆転Vをやってのけた。(C)Getty Images

トロフィーを掲げながらピースサインする山下。4打差をひっくり返しての逆転Vをやってのけた。(C)Getty Images

 6月12日、兵庫県の六甲国際GCにて国内女子ゴルフツアー『宮里藍サントリーレディスオープン』の最終ラウンドが行なわれ、20歳の山下美夢有(加賀電子)は「68」をマーク。首位と4打差から逆転し、通算12アンダーで今季2勝目、ツアー通算3勝目を挙げた。

【動画】20歳の山下が逆転V! 追い上げを見せた最終日のハイライト

「華麗なる逆転劇」とはまさにこのことだろう。この日は難しいピンポジションと強風もあってスコアを崩す選手が多く、実際に全選手の平均ストロークが73.86と4日間でもダントツに数字が悪かった。そんななか、ただひとりノーボギーで回り、4つのバーディを奪った山下は着実に順位を上げていった。

「優勝は意識せず、1ホール1ホールをどう攻略するかだけを考えてプレーしていました」と山下。ピン位置によって攻めるホールか、守るホールかを確認し、たとえグリーンを外しても寄せにくいサイドには打たないように心がけた。さらに、ショットの調子は決してよくなかったが、体の軸が目標方向に突っ込まないよう注意することで、ある程度の方向性と距離感をキープした。

 グリーン上でもメリハリをつけた攻め方は変わらない。以前は、難しいラインでも無理にカップインを狙いにいき、3パットをすることが多かったという。しかし、「最近は狙う、狙わないの判断が上手くできるようになり、3パットが減りました」と喜んだ。
 
 この日奪った4つのバーディのうち、最も長いのが10番の4メートルで、他の3つは全て2メートル以下だった。確実に沈められるところ以外は、寄せることを第一に考えて3パットを防いだが、試合展開が我慢比べになり、その判断が功を奏したと言えるだろう。

 今回の優勝でメルセデスランキングでは、同学年の西郷真央(島津製作所)に次いで2位に浮上。国内メジャーの『ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ』と4日間大会である今大会を制したことで、効率よくポイントを稼いだ形となったが、今季複数勝利を飾っているのは西郷と山下だけに、当然の結果ともいえる。

 また、今大会の上位2人には、8月4~7日にスコットランドのミュアフィールドGCで開催される『AIG女子オープン(全英女子)』への出場資格が与えられた。ところが、山下は出場するかどうか迷っているという。

「調子がよければ行ってもいいと思いますが、出るからには予選通過して上位で戦いたいですし、今の技術でそれが可能かどうかという思いもあり、ちょっとまだ……」。ちなみに、今月上旬に開催された『全米女子オープン』も同じ理由で出場を見送っている。
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