主力は、オークス2着、紫苑ステークス(GⅢ、中山・芝2000m)を勝ったスタニングローズ(牝3歳/栗東・高野友和厩舎)、トライアルのローズステークス(GⅡ、中京・芝2000m)を快勝したアートハウス(牝3歳/栗東・中内田充正厩舎)、チューリップ賞(GⅡ、阪神・芝1600m)に勝ち、オークスでも3着に食い込んだナミュール(牝3歳/栗東・高野友和厩舎)をリストアップしておきたい。しかし前述したように、上位争いをしている本年の3歳牝馬の能力が拮抗しているという判断のもとに、今年は穴馬で勝負をかけてみたい。
その1番手に挙げたいのが、今回唯一のディープインパクト産駒であるウインエクレール(牝3歳/美浦・畠山吉弘厩舎)である。
春はスイートピーステークス(L、東京・芝1800m)を快勝したものの、距離不適と判断してオークスを回避。7月末、やや夏負け気味だったSTV賞(3勝クラス、札幌・芝1800m)の2着を経て臨んできた1頭だ。
秋華賞にターゲットを定めた陣営は、10月7日(金)に栗東トレーニングセンターに入厩。主戦の松岡正海騎手は1週前追い、最終追い切りともに栗東入りして自ら手綱をとって「状態は上がってきている」と好感触を得た。
半兄(父ステイゴールド)で、香港のGⅠを2勝しているウインブライトの手綱もとった松岡騎手の本馬への思い入れは一入。絶好の1枠を引き当て、インの前残りの傾向が続く阪神でロスなくレースを進められれば一発があっても驚けない。穴馬としての魅力は十分だ。
もう一頭の穴馬候補はライラック(牝3歳/美浦・相沢郁厩舎)。春のフェアリーステークス(GⅢ、中山・芝1600m)を制した実力の持ち主で、桜花賞(16着)、オークス(11着)とクラシック2戦は冴えなかったが、秋の初戦となる紫苑ステークス(GⅢ、中山・芝2000m)では前記のスタニングローズに0秒1差の3着に食い込み、ひと夏越えての成長の跡をありありと見せた。
陣営の希望がかなって鞍上には新たにミルコ・デムーロ騎手を迎え、父オルフェーヴルの意外性を発揮すれば、自慢の末脚で好勝負に持ち込む可能性も十分だ。
スターズオンアースの史上7頭目となる牝馬三冠達成か。それを阻止する伏兵は現れるのか。スタートの16日15時40分が待ち遠しい。
<了>
文●三好達彦
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その1番手に挙げたいのが、今回唯一のディープインパクト産駒であるウインエクレール(牝3歳/美浦・畠山吉弘厩舎)である。
春はスイートピーステークス(L、東京・芝1800m)を快勝したものの、距離不適と判断してオークスを回避。7月末、やや夏負け気味だったSTV賞(3勝クラス、札幌・芝1800m)の2着を経て臨んできた1頭だ。
秋華賞にターゲットを定めた陣営は、10月7日(金)に栗東トレーニングセンターに入厩。主戦の松岡正海騎手は1週前追い、最終追い切りともに栗東入りして自ら手綱をとって「状態は上がってきている」と好感触を得た。
半兄(父ステイゴールド)で、香港のGⅠを2勝しているウインブライトの手綱もとった松岡騎手の本馬への思い入れは一入。絶好の1枠を引き当て、インの前残りの傾向が続く阪神でロスなくレースを進められれば一発があっても驚けない。穴馬としての魅力は十分だ。
もう一頭の穴馬候補はライラック(牝3歳/美浦・相沢郁厩舎)。春のフェアリーステークス(GⅢ、中山・芝1600m)を制した実力の持ち主で、桜花賞(16着)、オークス(11着)とクラシック2戦は冴えなかったが、秋の初戦となる紫苑ステークス(GⅢ、中山・芝2000m)では前記のスタニングローズに0秒1差の3着に食い込み、ひと夏越えての成長の跡をありありと見せた。
陣営の希望がかなって鞍上には新たにミルコ・デムーロ騎手を迎え、父オルフェーヴルの意外性を発揮すれば、自慢の末脚で好勝負に持ち込む可能性も十分だ。
スターズオンアースの史上7頭目となる牝馬三冠達成か。それを阻止する伏兵は現れるのか。スタートの16日15時40分が待ち遠しい。
<了>
文●三好達彦
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