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バレーボール

40年ぶりブラジル撃破の舞台裏に迫る!古賀紗理那を欠くなかで石川真佑に火をつけた眞鍋監督の一言とは?【女子バレー】

THE DIGEST編集部

2022.12.28

林も日本の大金星に大きく貢献したひとりだ。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

林も日本の大金星に大きく貢献したひとりだ。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 ようやく訪れたチャンスをつかんだ石川の活躍はさることながら、ブラジル戦でまさに世界へ鮮烈な印象を残した選手がもう1人、林琴奈(JT)だ。

 石川と同じく東京オリンピックにも出場したアウトサイドヒッターで、守備力や抜群の安定感を誇る選手だが、「日本代表の林」として残したインパクトはこれまで決して大きくはなかった。

 しかし世界選手権ではセッター対角のオポジットに入り、サーブレシーブやディグはもちろん、機動力を生かした攻撃でもチームの勝利に貢献。ブラジル戦でも日本以上のスピードやコンビネーションを誇るブラジルの攻撃を自在にさせまいとサーブで攻め、強打もレシーブで拾う。相手からすれば実に嫌な存在となった林が目立たぬところで流れを引き寄せたのも大きい。

 林自身は「まだまだ落としてはいけないボールを落としてしまったり、課題のほうが多かった」と振り返るが、両レフトに攻撃が偏りがちだったなか、林がライトから着実にスパイクを決めたことで、ブラジルのブロックにほんの数秒ではあるが迷いが生まれた。

 そこでセッターの関菜々巳(東レ)がうまくバックアタックも絡めた攻撃でより得点機会につながった。数字に残るプレーばかりでなく着実に役割を果たす仕事人ぶりを発揮した林の活躍が、ブラジルから世界選手権で実に40年ぶりとなる勝利を引き寄せる力になっていたのは間違いない。

 エースの古賀を欠いた1次ラウンドで勝利を収めたブラジルと、日本は決勝トーナメントでも再戦した。勝てば準決勝進出が決まる大一番で1次ラウンドと同様に石川、林の活躍で日本が2セットを先取しベスト4に王手をかけた。

 しかしここからブラジルはサーブ、ブロック、スパイクで一段ギアを上げた反撃を開始。日本も最後まで全員でボールをつなぎ、多彩な攻撃を仕掛けたが劣勢から好守で高いパフォーマンスを見せたブラジルが逆転の末に勝利を収め、日本は最終成績を5位で終えた。
 
 最終セットの最後は石川のスパイクがネットにかかり、試合終了が決まった瞬間、石川は右手でコートを叩き悔しさを露わにした。東京オリンピックの韓国戦も自身が決められず、後悔を残したが、世界選手権でブラジルに惜敗を喫した直後の石川はまっすぐ前を見ていた。

「最後に決められなかった自分の力不足。負けたことが本当に悔しいので、パリオリンピックでは絶対に勝てる力をつけたい」

 ブラジルに勝って満足する時代はもう終わった。40年ぶりに世界選手権でブラジルからつかんだ勝利は日本代表の自信となり、来年のオリンピック予選を勝ち抜く原動力になることだろう。

構成●THE DIGEST編集部

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