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マラソン・駅伝

【箱根駅伝】100回大会をどこよりも早く占う!駒大の“連覇の鍵”は「エース田澤」の穴埋め!対抗馬は?

生島淳

2023.01.17

2区で区間賞を獲得した吉居大和と3区で区間賞の中野。ふたりは4年生として100回大会を迎える。写真:JMPA

2区で区間賞を獲得した吉居大和と3区で区間賞の中野。ふたりは4年生として100回大会を迎える。写真:JMPA

 駒大の対抗馬として挙げられるのが――いや、本命に近いかもしれないのが中央大学だ。

 今年は往路、復路、総合でも2位でフィニッシュ。今年のチームは復路で4年生が4人走ったため4区間が空くが、勝敗に大きく左右する往路の選手は全員残るのが強み。

 特に吉居大和(3年)は、2区で駒大の田澤、青山学院大学の近藤幸太郎との激戦を制して区間賞を獲得した。藤原正和監督は来季の吉居大和の育成プランをこう話す。

「ウチは7月まではトラックシーズンで、8月から駅伝シーズンと捉えています」

 吉居大和は1月上旬からアメリカ合宿へと向かい、今夏、ハンガリーのブタペストで行なわれる世界陸上の出場を目指す。「エース」の要件をこれほど満たしている選手は、他にはいないだろう。

 今年の顔は田澤だったが、100回大会の顔は吉居大和になるはずだ。

 そのほかにも、3区で区間賞を取った中野翔太(3年)、4区を走った吉居駿恭(1年)はさらに力を伸ばしてくる。加えて、5区には阿部陽樹(2年)がおり、山上りに対する不安がない(もっとも、藤原監督は「他に上れる選手が出てくれば、阿部は平地で使ってみたいですね」と話してはいる)。

 吉居大和というスーパーエース、それに続く主力陣の層が厚いのが中大の強みとなるのは間違いない。
 
 加えての好材料は、4年生の穴を新入生が埋めそうな気配なのだ。12月に発表された長距離ブロックの入学予定者10人のうち、5000mで13分台の記録を持っている選手が3人いた。その3人とは……。

柴田大地  (洛南)
鈴木耕太郎(國學院久我山)
本間颯  (埼玉栄)

 彼らが入学早々、上級生たちを突き上げる存在になってくれば、中大の選手層はさらに分厚くなる。

 そのほかの学校はどうだろう。

 今回、3位に入った青学大は10人から7人のメンバーが卒業する。現2年生、1年生が大きく成長する必要がある。

 4位だった國學院大は、平林清澄、山本歩夢(ともに2年)はすでに学生界を代表するランナーへと台頭してきたが、他校に「圧」をかけられるほどの走力、迫力を醸しだせるようになってくれば、楽しみは増える。

 第100回大会は、駒大、中大を軸としながら、各校の本気が試される大会となるだろう。

取材・文●生島淳

【著者プロフィール】
いくしま・じゅん/1967年気仙沼生まれ。海外ではNBAやMLB、国内ではラグビー、駅伝、野球等、幅広くスポーツを追うジャーナリスト。駅伝関係の著書には『監督と大学駅伝』(日刊スポーツ出版社)、『箱根駅伝』『箱根駅伝 新ブランド校の時代』(ともに幻冬舎新書)、『箱根駅伝 勝利の方程式』『箱根駅伝 勝利の名言』 (ともに講談社+α文庫)など多数ある。

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