伏兵として一番手に挙げたいのは、昨年の帝王賞（JpnⅠ、大井・ダート2000ｍ）が光るメイショウハリオ（牡６歳／栗東・岡田稲男厩舎）である。

　その帝王賞では先行策から直線で抜け出すと、王者として君臨していたチュウワウィザード（引退）をクビ差で抑え切って勝利。その粘り腰の強さはひと際、印象に残った。

　本質的には1800～2000ｍが得意距離と言えるだろうが、一昨年の薫風ステークス（３勝クラス、東京・ダート1600ｍ）で快勝したこともあり、マイルはこなせない距離ではない。本馬を完全に手中に収めている浜中俊騎手ならば、一発があっても不思議ではない。
  　もう１頭穴馬として狙ってみたいのは、昨年の本レースで２着に入っているテイエムサウスダン（牡６歳／美浦・蛯名正義厩舎）だ。

　逃げても先行しても大丈夫な融通性が高く、展開に左右されないのが強み。昨年は根岸ステークスを中団からの差し切りで制すると、続くフェブラリーステークスではスローペースと見るや逃げを打ち、勝ったカフェファラオにこそちぎられたが、白毛の人気馬ソダシ（牝５歳／栗東・須貝尚介厩舎）を抑えて２着に粘り込んだ。

　近走の成績は冴えないが、休養明けの根岸ステークスをひと叩きされ、その後も順調に調教を積んで着実に状態を上げてきた。手綱をとるクリストフ・ルメール騎手の手腕にも期待したいところだ。