専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
ラグビー

「シンプルなことを、徹底しました」稲垣啓太が取材エリアで語った首位ワイルドナイツの“根本的な強さ”

向風見也

2023.03.14

果敢に突破を試みる稲垣。ワイルドナイツでも日本代表でも、大きな存在感を放っている。(C) Getty Images

果敢に突破を試みる稲垣。ワイルドナイツでも日本代表でも、大きな存在感を放っている。(C) Getty Images

 まず序盤は、ワイルドナイツの防御の位置取り、つまり「セットアップ」が「遅かった」ようだ。

「ディフェンスのセットアップが遅れ、人数が揃わないと、より相手に優位な状況でアタックをさせてしまう。そういったことが前半、多かった。しかし後半は、ファーストフェーズ(最初の接点)で相手の勢いを消す(のを意識)。これでディフェンス(のセットアップ)が速く整備できます。そしてラインを上げられる…」
 
 言葉通りのプレーは、ハーフタイム明け早々に見られた。

 中盤のラインアウトからのサンゴリアスの「ファーストフェーズ」に対し、ワイルドナイツのラクラン・ボーシェ、ダミアン・デアレンデがタックルを繰り出す。2人で1人の走者を掴み上げ、まもなくワイルドナイツが攻撃権を獲得した。

 17―24と7点差を追う後半15分には、やはりデアレンデがベン・ガンターとサンゴリアスのランナーを仕留める。流れを止める。その間、周りのワイルドナイツの戦士は「ディフェンスを速く整備」した。

 その列に入っていたディラン・ライリーが、サンゴリアスの大外へのパスをインターセプト。そのままトライを決めるなどし、24―24と同点に追いついた。

 以後はガス欠気味となったサンゴリアスの穴を突き、着実に加点。同33分までに41―24と大差をつけた。

 稲垣は言った。

「最初の段階でポジショニングに入れていれば、あとは個人のスキルと判断(次第となる)。さらに、その判断も、いい時間帯が多かった。それが結果として、勝敗に繋がったかなと思います。シンプルなことを、徹底しました」

 有事においても自分たちにとっての基礎、基本に立ち返る。稲垣の、さらにはワイルドナイツの真骨頂が垣間見える。

「大きな問題がある時は、色々なところに手を伸ばしがちなんです。あれもやらなきゃ、これも失敗した、ここも課題だ…と。しかし大事なのは、いまチームが何を真っ先に改善しなければいけないのか(を把握する)ということ。それと、(立ち返る)土台というものが、ワイルドナイツにはある。そこに戻れば、また自分たちのテンポを作ることができる。そういう自信がある。そう思っているのは、僕だけではないです。それが自分たちの、根本的な強さです」

 自分たちがなぜ勝っているのかを理解する。その皮膚感覚は、プレーする場所が日本代表になっても損なわれないだろう。稲垣は続けた。

「環境が変われば、人も変わります。そこに対応するのは重要です。ただ、自分のなかで変えてはいけない部分、チームとして変えてはいけない部分。それはちゃんと、共有しておいた方がいいと思いますね」

 団体競技の本質を掴み取っている。

取材・文●向風見也
【関連記事】ラグビー日本代表の注目株ワーナー・ディアンズ。NZ出身の20歳はリーグワンで世界クラスの「スタンダード」を示せるか

【関連記事】決勝後には「リーグワン」デビューの選手も!? ラグビー大学選手権準決勝で注目の次世代スター候補5選

【関連記事】2大会連続の快進撃なるか? 来年のラグビーW杯でジャパンを高みに導く「注目の5人」をピックアップ!

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号