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マラソン・駅伝

どこよりも早い箱根駅伝予想! 第100回大会は戦力的には「駒大」が一歩リードか? 王者を追うチームの“選手層”を徹底分析

酒井政人

2023.03.29

各校に有力ランナーが残る。写真は左から中央の吉居大和、青学大の太田、國學院大の伊地知。写真:JMPA,徳原隆元

各校に有力ランナーが残る。写真は左から中央の吉居大和、青学大の太田、國學院大の伊地知。写真:JMPA,徳原隆元

 爆発力で駒大に匹敵するのが中大だ。今年の箱根駅伝ではエース吉居大和(新4年)が2区を区間歴代8位の1時間6分22秒で爆走。中野翔太(新4年)も3区で区間賞、阿部陽樹(新3年)は5区を区間3位と活躍した。さらに新2年生となる溜池一太と吉居駿恭が1区4位、4区5位と好走している。

 トラックでパリ五輪を狙う吉居大和は今冬も渡米して、バウワーマン・トラッククラブの練習に参加(弟・駿恭は初参加)。溜池は2月26日の日本選手権クロスカントリー(男子10km)で三浦龍司(順大)と2秒差の3位に食い込んでいる。藤原正和駅伝監督は駒大との差を「選手層」だと感じているだけに、どこまでチーム力を上げられるのか。

 2強を追いかけるのは國學院大だろう。11月に故障のあった5区伊地知賢造(新4年)が区間7位に終わったが、2区平林清澄(新3年)が区間7位(日本人5位)、3区山本歩夢(新3年)が区間5位と存在感を発揮した。丸亀ハーフでは高山豪起が1時間1分42秒、青木瑠郁が1時間2分2秒、嘉数純平が1時間2分18秒。新2年生トリオが國學院大歴代3、5、8位の好タイムを残すなどチームに勢いがある。

 箱根でトップ3を死守した青学大は出走メンバー7人が卒業。新4年生の出場は佐藤一世のみで、戦力的にはダウンする。それでも太田蒼生(新3年)が前年(3区で区間歴代3位)に続いて今年(4区を区間歴代3位)も快走。今回は欠場した若林宏樹(新3年)が1月22日の都道府県対抗駅伝3区で区間2位と好走したのも明るい材料だ。
 
 箱根5位の順大も出走メンバー5人が卒業するが、吉岡大翔(佐久長聖)というスーパールーキーが入学する。吉岡は昨季、佐藤圭汰が保持していた5000mの高校記録を約9秒も塗り替える13分22秒99を叩き出すと、全国高校駅伝3区でも佐藤が持っていた日本人最高記録を大幅更新。エース三浦龍司(新4年)とともに箱根路で持ち味のスピードを発揮できると面白い。

 6位の早大は出走メンバー8人が残る。石塚陽士が2区(区間10位)、伊藤大志が5区(区間6位)を務めるなど主要区間を新3年生が経験したのも大きい。期待のルーキーだった山口智規(新2年)が出場できなかっただけに、花田勝彦駅伝監督2年目は上位進出の可能性がある。

 4月に入ると本格的なトラックシーズンが開幕する。新チームはどんな変化を遂げていくのか。第100回大会をめぐる戦いはすでに始まっている。

文●酒井政人
 

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