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ラグビー

「いつも通り、できることを100パーセントで」堀江翔太、国内通算150試合出場を達成した希代のラガーマンの現在地

向風見也

2023.04.13

 13点リードで迎えた同34分頃には、自陣ゴール前での守勢局面で魅する。

 対するリコーブラックラムズ東京が攻めてくるのに対し、クラブの誇る組織防御を保つ。接点に身体を差し込んだり、引き抜いて全体を見渡したり。
 
 ゴールポスト正面で同僚のダミアン・デアレンデと強烈なダブルタックルを放ち、向こうの球出しを鈍らせながら起き上がる。2つ先にあたる13フェーズ目の接点で、ラクラン・ボーシェーが地面の球に絡むのを支える。

 彫刻の身体が醸す強靭さを組織防御に還元し、反則を誘った。

 チームスポーツとしてのラグビーを首尾よく運営しにかかるのも、「いつも通り」なのだ。

「自分の仕事を延々、やり続けるだけという感じですね」

 新たにプレーを開拓する心意気と、いまいる組織の戦い方を全うする意識とを高次で結合させるのが、堀江翔太の「いつも通り」なのだ。

 ノーサイド。25—12。2人の子どもたちから花束をもらい、母、妻を含めた5名でファインダーに収まり、150キャップ達成への感慨を述べる。

「選手生命が絶たれる大きな怪我もなくやっていられるのも、親父、おかんの遺伝子という授けもの(のおかげ)やと思っていますし、中学、高校と送り迎えをして僕をラグビー(の道)に進めてくれたのも親父。社会人になって、ラグビーに集中できる環境を作ってくれるのは奥さんと子ども。僕は節制して食べられないものがあるんですけど、それを子どもたちも把握できるくらいになっている」

 自分のことよりもまず周りを立てるのも、この人にとって「いつも通り」だった。

取材・文●向風見也
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