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バレーボール

「サーブで崩せない選手は外す」眞鍋監督が徹底強化を図る日本の生命線。なぜ世界を越えるための最重要課題なのか?【女子バレーVNL】

北野正樹

2023.06.05

主将としてチームを牽引する古賀にも、当然サーブで崩すことが求められている。写真:北野正樹

主将としてチームを牽引する古賀にも、当然サーブで崩すことが求められている。写真:北野正樹

 今季の初戦(5月30日)は、世界ランク9位で高さとパワーがあるドミニカ共和国戦。日本代表女子として2019年のワールドカップ以来となる国内での有観客試合で、選手には硬さがみられ第1セットの序盤は劣勢に。しかし、3-8からOH林琴奈(JT)が低くて速いサーブで攻めてレシーブを崩して追い上げ、このセットを25-23と逆転。さらにOH古賀紗理那(NEC)や林、代表デビューのMB入澤まい(日立Astemo)、MB荒木彩花(久光)がサーブで揺さぶり、3-1で勝利した。
 
「サーブで崩して相手の攻撃の選択肢を少なくする」(古賀主将)ことで、ブロックも絞りやすくなり入澤が5得点、荒木も2得点と、もう一つの課題であった新しいMB陣のレベルアップにもつながった。

 眞鍋監督も「2人とも身長があり、ブロックも武器の一つ。サーブも結構、工夫していた」と入澤、荒木に及第点をつけた。

 大会前のブラジルとの練習試合でも、チームとしてサーブを効果的に決めていた日本代表。「練習と試合では違う。速さと、ネット上の通過位置を低くして、一人ひとりがどれだけのサーブを打ってくれるか楽しみ」と話していた眞鍋監督だったが、「チームとしてサーブでかなり相手を崩していた。サーブ効果率は目標を達成していた」と合格点を与えた。
クロアチア、ブルガリア戦でも前後に揺さぶるサーブが有効に決まり、ストレートで快勝した。

「世界を越える」ための試金石となったのが中国戦だった。

 202センチのMBエン・シンゲツを筆頭に、OHリ・エイエイら190センチ台の選手が揃う高さのあるチーム。日本としてはサーブで崩し、攻撃の幅を狭めることで有利な展開に持ち込みたいところだったが、1セット目は出だしからサーブで相手守備を崩すことが出来ず、速攻を決められてしまった。

 1セット目終盤から出場し、先発した2セット目で4点を挙げたOH田中瑞稀(JT)は「今までの3戦に比べると、自分たちのサーブからのディフェンスが機能していなかったというのが印象です」と振り返った。

 眞鍋監督も「世界ランキングでベスト8とかベスト4に入るためには、何回も言いますがAパス率を下げること。我々は身長が低いのでやはり、それに尽きると思います。今日の1セット目に、それが顕著に現れました。中国とかランキングの上のチームに勝つためには、やはりAパス率ですね」と強調する。
 
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