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フィギュア

【GPファイナルの舞台裏】予定外だった4回転5本――羽生結弦の戦う姿勢がネイサン・チェンの心に火をつけた

THE DIGEST編集部

2019.12.13

昨年の米国選手権でのチェン。コーチとともに優勝を手にした。 (C) Getty Images

昨年の米国選手権でのチェン。コーチとともに優勝を手にした。 (C) Getty Images

 同局はチェンと羽生の切磋琢磨する関係を「スポーツにとって革新的であり、お互いにより難しいジャンプを試みるようになった」とし、再び相まみえるのは、早ければ3月の世界選手権となると伝えている。

 再び羽生と対峙する場合、「今度はどう立ち向かうのか?」という問いかけに対して、チェンはこう語った。

「まだわからない。ユヅが4回転アクセルをやるのか、そしてどの4回転ジャンプを組み込むのかによっても変わるかもしれない。僕らはふたりとも、お互いの限界に近づいて、それを超えようとしているんだ。とてもエキサイティングな時間を共有していると思う。

 一緒に試合を重ねていくほど、お互いの性格や出身地、仕事への姿勢などが理解が深まるようになる。ユヅに対するインプレションは強烈で印象深いもの。僕は彼をリスペクトしているし、彼も尊重してくれているのを感じる」
 
 そして、改めて羽生への尊敬の念を口にした。

「彼はかつてない、これまでに居たことのないスケーターだ。このスポーツのために信じられないほど多くのことを成し遂げてきた。僕はそのことを心から尊敬し、尊重したい」

 羽生自身もフリー後の記者会見で、チェンを「きれいなジャンプができ、音楽のセンスも優れている。体操とバレエの経験も豊富で、それは僕にはないものです」と称賛を送っていた。

 チェンが世界最高記録をマークしながらも、世界選手権に向けて気を引き締める理由は、今回のGPファイナルではSPで羽生の「思いがけないミス」があったことで出遅れたことで、勝利を収められたという危機感もあるからのようだ。事実、チェンのコーチであるラファエル氏は、羽生のミスについて「とても驚いた」とコメントしている。

 また、大学生であるがゆえに、時間は限られている。チェンに今後控えているのは、1月23日からノースカロライナで開催されるアメリカ選手権、そして3月18日からカナダのモントリオールで行なわれる世界選手権だ。
 
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