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バレーボール

オランダに日本の「スピード」が通じなかった理由。 相手の戦略にはまり1-3で惜敗【女子バレーVNL】

THE DIGEST編集部

2023.07.01

 後がない日本は、セッターを松井に戻しOHが林と和田、古賀をベンチに下げ井上愛里沙、MBに山田と入澤で第3セットをスタート。僅差のリードで序盤を進めるが、中盤に追いつかれて調子の上がらない井上を古賀に替える。徐々に攻守のリズムを取り戻し始めて、終盤の接戦で奮起。不安定さを残しつつも、和田のブロックアウトで握ったセットポイントを山田がブロックで制して、望みをつないだ。

 第4セット、古賀のこの日2本目のエースで奪ったリードを短い時間で手放し、1点を追う展開に。その後は、サーブが入らず流れを引き寄せきれない。3点ビハインドで迎えた終盤には、エースでギアを上げた相手に、ミスで4点を献上してしまう。途中出場した宮部藍梨のサーブで和田が意地を見せ、マッチポイントを3度にわたり阻止して粘るも、時すでに遅し。黒星を喫して決勝ラウンド進出へ近づく勝点を取りこぼした。

 途中出場の和田がチーム最多の18得点(アタック17、ブロック1)、古賀が16得点(アタック13、ブロック1、エース2)。他は一桁得点に留まった。

 アタックとエースの数でオランダと並ぶも、勝敗を分けたのはブロック。試合全体で日本は2本、オランダは8倍超の17本。2セットを連取された時点で、相手は11本を記録していた。
 
 日本戦を前に、ブロックによる対策を講じていたというオランダ。男子代表の高橋藍が加入するヴェロヴァレー・モンツァの女子チーム、ヴェロバレー・ミラノへ来季移籍するOHダールデロップは、試合後に勝因を明かしている。

「日本がスピードを使った攻撃を仕掛けてくるとチームは分かっていたので、アタックのコースやブロックのどこを狙ってくるかなど対応を準備して試合に臨んだ。1、2セットは、ラインの読みや当ててくる場所の判断がとても上手くいった。3セット目は日本がアプローチを変えてきて、かなり多くの場面でこちらが跳ぶタイミングを上手く使われてしまった。4セット目ではそれを修正できた」

 国際バレーボール連盟の配信サービス『Volleyball World TV』で解説を務めたBBC(英国放送協会)のスポーツコメンテーター、ジョナサン・リガード氏は、「意外な結果」「想定外のサプライズ」と思いがけない日本の敗戦に唖然。選手交代で流れを変えられなかったことを、「救世主は現れず」と表現した。

 6勝4敗とした日本は7位。勝敗数で並び勝点が「1」上回る中国が6位、8位イタリアが「3」差で後続に迫る。予選ラウンドは残り2試合。現地7月1日の次戦で白星を狙い、開催国の世界ランク14位タイ代表とのアジア対決に臨む。

文●佳子S.バディアーリ

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