第3セットはスタートから、林の鮮やかなレフト攻撃でロングラリーをものにし、直後に古賀の2本目のエース。さらに、林が２枚ブロックの間を抜いた一打と相手コートのスペースへ流し込んだ打球でリードを奪う。

　迎えた終盤、石川のノールック弾で20点に乗せた後、2度に渡り1点差まで詰め寄られてヒヤリとするが、そこから古賀のワンマンショーが開幕する。

　まずは、利き手と逆の左手から繰り出したプッシュとクロス弾で２度のラリーを勝ち取ってリードを広げる。続いて、後方からの難しい２段トスをレフトから打ち抜きマッチポイントを奪い、それを自らのブロックで仕留めて大事な白星を勝ち取った。日本は、主将の４連続得点で勝点「３」をもぎ取り、決勝ラウンドへの切符を手中に収めた。

　主将の古賀が全体最多19得点（アタック14、ブロック3、エース）。林がアタックのみで13得点、山田も11得点（アタック8、ブロック3）で二桁得点を記録した。
  　国際バレーボール連盟の配信サービス『Volleyball World TV』で解説を務めたBBC（英国放送協会）のスポーツコメンテーター、ジョナサン・リガード氏は、3セット目だけで9得点を挙げるなど、アタック、ブロック、サーブと守備で圧巻のパフォーマンスを披露した火の鳥NIPPONの主将を、「ワンダフルな一人４役」「究極のオールラウンダーだ」「信じられない活躍！」と大絶賛した。

　ストレート勝ちを飾った日本は、7勝で並ぶドイツとイタリアを勝点で上回ると同時に、得失セット数で勝点同数のブラジルを抑え、5位へジャンプアップした。世界ランクでもひとつ順位を上げ、7位に浮上。現地2日の予選最終戦では同じく決勝ラウンド進出を決めた同2位イタリアと対峙する。

文●佳子S.バディアーリ

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