同時に、人々の興味は「誰がフェルスタッペンを止めるのか？」にも向けられている。同じ車『RB19』を駆るペレスは、今季はチーム内対決が注目されたものの、12戦終了時点でチャンピオンシップの２位につけているとはいえ、すでに125ポイントの大差をつけられており、「打倒マックス」どころか、ついていくことすらできない状態である。
  　これについて、ペレスはスペインのスポーツ紙『MUNDO DEPORTIVO』に対して、シーズン開幕当初は彼の方が車に馴染んでいたものの、チームが開発を進めるにつれて、フェルスタッペンのドライビングスタイルとの適合性が増していると説明。フェルスタッペンが好む“攻撃的”な車では、ペレスは上手くいかない状況に陥っているとのことで、「同じ車でマックスに勝てるドライバーは、現在のグリッドには存在しない」と断言する。

　彼はまた、「現在のドライバーの90％は、フェルスタッペンの隣（チームメイトとして）で沈むだろう。精神的に強くなければ、レッドブルにはいられない」とも語っているが、レッドブルの顧問であるヘルムート・マルコは、以前に『DAZN』のインタビューで「フェルスタッペンに勝てるとしたら、どのドライバーか？」と訊かれてペレスの名を挙げることはなく、「おそらくフェルナンド・アロンソ（アストンマーティン）かルイス・ハミルトン（メルセデス）だと思うが、同じ車では難しいだろう」と答えている。

　マックス仕様の車はマックスではなければ完璧に乗りこなせない、ということだろうが、それでもドライバーの力量以上に車の性能が重視されるモータースポーツだけに、やはり「最強マシン『RB19』を他のドライバーが乗ったらどうなるのか？」という興味は消えることはなく、『MUNDO DEPORTIVO』紙もこれに言及し、若きオランダ人ドライバーに２人の経験豊かなチャンピオン経験者が太刀打ちできるかを特集した。

　この記事で同メディアは自国の２人の元F１ドライバーに意見を求めており、トロロッソ（アルファタウリの前身）で2009年から2011年の間に46レースを戦ったハイメ・アルグエルスアリは、「もしハミルトンとアロンソをレッドブルに連れてきたとしても、彼らがフェルスタッペンに勝てるとは思えない」と語っている。