――東京五輪を終えてから出場している国際大会は、全大会優勝されていますね。高いモチべーションを保ったまま試合にも挑まれていますね。
阿部　東京五輪が終わってから、モチベーションを保つのがすごく難しかった部分もあったんですが、五輪という舞台に立って、パリで連覇するという想いがやはり強いので、そこでモチベーションを高く保てているのかなと思います。
  ――前回の東京五輪についても、詳しく伺いたいと思います。初めての五輪に出場されてみていかがでしたか？
阿部　今までに経験したことのない緊張感のある舞台で、自分の中でやっと子どもの頃から夢に見た舞台で試合ができるんだという嬉しい気持ちとともに、無観客だったので、少し寂しい気持ちもありました。やっぱり観客がいてほしかったなと。

――そのなかで、目標とされていた金メダル獲得となりました。
阿部　嬉しい気持ちはもちろんあるんですけど、安心したという気持ちのほうがが大きかったですね。それまで色んなプレッシャーがあったんですけど、兄妹で(五輪に)出場して、妹が先に優勝したというのもあって、(自分も)金メダルが獲れてよかったという想いが一番にきましたね。

――妹の阿部詩選手と史上初の“兄妹同日優勝”となりました！
阿部　目標としていたことでもあったし、二人で目指していた部分でもあったので、よかったですね。ひとつのことを成し遂げるというか、誰もしたこのないことをしたいなという想いが自分の中であったので、そこは本当に大きかったと思います。

――終わったあとの反響はいかがでしたか？
阿部　別の日に優勝していたら、そこまで話題にはなってはいなかったと思います。“兄妹同日優勝”というのが、本当に大きかったと思うので、反響はこれまでに比べてかなり凄かったですね。

――詩選手と試合後、なにか会話されましたか？
阿部　うーん…どうだったかな。話はしてないですかね。「よかったね！」くらいだったかな(笑)。試合後に落ち着いて話すことはあまりありませんでしたし、その後も特にじっくり話すことはなくて、「よかったな」という感じだったような気がします(笑)。