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格闘技・プロレス

「妹だけどライバル。絶対に負けられない」阿部一二三、史上初“兄妹連覇”を目指すパリ五輪へ最速内定後のいまを語る

真鍋杏奈

2023.11.13

パリでも兄妹で史上初の連覇を目指す。強い決意を述べた。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

パリでも兄妹で史上初の連覇を目指す。強い決意を述べた。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

――妹の詩選手はどんな存在ですか?
阿部 一柔道家として、尊敬しています。兄妹なんですけど、いい意味でライバルというか、絶対に負けられないという気持ちがあるので、僕自身も成長させてくれる存在だと思います。

――普段は兄妹でどう過ごされていますか?
阿部 普通のお兄ちゃんと妹みたいな感じですよ。常に一緒にいるわけではないので、どこにでもいるような感じだとは思います(笑)。

――普段はどちらがしっかりされているほうなんでしょう?
阿部 どうなんですかね(笑)。僕じゃないですか?!

――おぉー! 詩選手も一二三選手のことを尊敬しているといつも話されていますよね!
阿部 ハハハ。とは言ってくれているので(笑)。やっぱり妹の存在がなかったら、ここまで気持ちを盛り上げて試合も練習も出来ていないと思いますし、二人で切磋琢磨できているのは、すごくいいことだなと。

――一二三選手から詩選手になにかアドバイスされることはありますか?
阿部 いやぁもうないですかね。妹もトップなので。ここまできたら、あまり教えることってないのかなって。だから柔道に関してのアドバイスとかはないかな。

――詩選手もパリ五輪代表に内定していますが、大会に向けてなにか話されましたか?
阿部 特にはないですね。ここまできたらお互いやるべきことはわかっているし、成し遂げないといけないこともわかっているので、あまり口に出して言うことはなくて、お互い感じ取っています。
 
 五輪の歴史、日本柔道の歴史を変えた兄妹は、互いに尊敬し合い、言葉にしなくともお互いの気持ちを感じ取っている。

 詩選手の話をする時に少し見えた一二三選手のやわらかい表情が印象的だった。最速で決まったパリ五輪へ、気持ちに余裕を持って挑んでいく――。

取材・文●真鍋杏奈

■プロフィール■
阿部一二三(あべ・ひふみ)/1997年8月9日生まれ、兵庫県神戸市出身。167センチ、66キロ。階級は66kg級。パーク24所属。中学時代から頭角を現わし、神港学園高2年時の2014年講道館杯全日本体重別選手権66kg級に出場し、男子史上最年少で優勝。同年12月にはグランドスラム・東京66kg級に出場し、男子史上最年少で優勝した。日体大進学後も全日本選抜体重別選手権で連覇を達成したほか、世界選手権を制覇。2020年4月に現所属となり、同年12月に丸山城志郎とのワンマッチによる東京2020オリンピック柔道男子66kg級日本代表内定選手決定戦に臨み、24分間に及ぶ死闘を制し、日本代表の座を掴んだ。翌21年には東京五輪で妹・詩との史上初“兄妹同日優勝”を果たした。今年5月にカタール・ドーハでの世界選手権を制し、来年のパリ五輪代表の座を射止めている。

<インタビュアー>
真鍋杏奈(まなべ・あんな)/ホリプロ所属。フリーアナウンサー。MRT宮崎放送で朝の帯番組を務めた後、フリーになりスポーツ担当へ。プロ野球中継リポーターは、JSPORTSやラジオ日本『ジャイアンツナイター』を務める。ラジオ日本『岩瀬惠子のスマートNEWS』スポーツニュース担当(毎週月、火曜のアシスタント6:30~)、『高校野球中継』や『箱根駅伝中継』のリポーター、YouTube『プロ野球OBクラブチャンネル』のMCを務める。

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