専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
その他

現役最強イクイノックスvs世代最強女王リバティアイランドの一騎打ちは今年最高の大一番! 気になる2頭のポイントは?【ジャパンカップ】

三好達彦

2023.11.25

 かたや、リバティアイランドはどうか。

 これまで3歳時にジャパンカップを制した牝馬には、ジェンティルドンナ(2012年)、アーモンドアイ(2018年)の2頭がいるが、パブリックな数値によって比べると、ジャパンカップと同じ東京の芝2400mで行なわれるオークスのレーティング(JRAによる)において、1984年のグレード制導入後で最大となる6馬身差で圧勝を遂げたリバティアイランドは120ポンドを獲得し、前記2頭の115ポンドを大きく上回る評価を受けている。その意味では、3歳でのジャパンカップ制覇を達成する資格は十分にクリアしているということだ。

 前記の通り、牝馬三冠において最も優れたパフォーマンスを見せた2400m戦であること、斤量が古馬牡馬よりも4キロ軽いこと、秋華賞からひと月以上のレース間隔が取れたことなど、リバティアイランドのポジティブファクターは少なくない。
 
 同馬を管理する中内田調教師は追い切り後の共同記者会見で、初めてとなる古馬との対戦について、「力関係は走ってみて、ではないでしょうか。今回はチャレンジャーという気持ち。ファンのみなさんに楽しみにしていただいている気持ちと陣営も一緒です」とコメントしている。

 ひと叩きされて、さらに気配は上昇しているというリバティアイランド。イクイノックスがいるがゆえトップには推しづらいが、こちらには「対抗」の評価を献上する。
 
 3番手以下は横一線というのが筆者の見立てだ。

 天皇賞(秋)でも、じりじりと伸びて4着に入ったダノンベルーガ(牡4歳/美浦・堀宣行厩舎)は、”マジックマン”ことジョアン・モレイラ騎手が連続騎乗するのが好材料。切れ味には欠けるが、長く脚が使えるストロングポイントを活かして早めに仕掛けて出れば、上位に粘り込める可能性がある。

 展開の利を得られそうなのがディープボンド(牡6歳/栗東・大久保龍志厩舎)。逃げが必至のパンサラッサ(牡6歳/栗東・矢作芳人厩舎)とタイトルホルダー(牡5歳/美浦・栗田徹厩舎)がハイペースを刻むなか3番手をキープすれば、本馬のしぶとさが活きるだろう。

 ヴィクトリアマイル(GⅠ、3着)以来の実戦となるスターズオンアース(牝4歳/美浦・高柳瑞樹厩舎)は、〔2・1・2・0〕と東京コースですべて馬券に絡んでいるコース巧者でもある。脚質に自在性があるだけに、新たに鞍上に迎える英国の名手、ウィリアム・ビュイック騎手の手綱さばきひとつで上位に食い込むに足るポテンシャルを持っている。

 天皇賞(秋)では、武豊騎手の負傷で乗り替わりになるという不測の事態にあったドウデュース(牡4歳/栗東・友道康夫厩舎)は道中、引っ掛かり気味になって7着に敗れた。今回も武騎手の復帰はならなかったが、友道調教師は「前走に乗ってもらったジョッキーが空いていたのはラッキーだった」と、戸崎圭太騎手が継続騎乗できることをポジティブに捉えている。調教の良化も含めて、押さえの評価が必要だろう。

 馬券を離れても興味が尽きない大一番。この希有にして価値あるレースを目一杯楽しみたい。

取材・文●三好達彦

【動画】驚異のレコードを叩き出した”現役最強馬”イクイノックスの天皇賞(秋)をプレイバック!
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号