今回がジャンタルマンタルへの初騎乗だった川田騎手は、「追い切りに乗っていい感触を得るとともに、2歳馬らしくまだ成長の余地をたくさん残している状態だという印象でした」と感触を語りつつ、「レースはリズムよく走れていましたが、4コーナーをまわったところであまりいい形にならなかったので、(前が空いた)ここが勝負どころだなと思って早めに進路を確保して動いていきました。早めに動いた分、馬には苦しい競馬になったと思いますが、最後までしっかりと走り切ってくれました」と相棒を称賛した。
ジャンタルマンタルは、日本へ種牡馬として新たに輸入されることが決まったパレスマリス(Palace Malice)で、本馬は持込馬となる。
背中がすらりと長いスケールの大きい馬体は目を引き、同時にレースでは馬群のなかを進んでも我慢がきき、鞍上のゴーサインに即時に反応するなど、操縦性の高さも優秀。川田騎手ならずとも、将来性は十分と言える好素材で、順調に行けば来春はクラシックの中心を走る存在となるだろう。
8月のコスモス賞(2歳オープン、札幌・芝1800m)の勝利以来、約4カ月ぶりのレースとなったエコロヴァルツだが、終いの爆発的な末脚には驚かされた。
鞍上の武豊騎手は向正面で他馬にぶつけられて位置を最後方まで下げざるを得なかったことを悔しがったが、これまでの2戦は先行策をとっていただけに、武豊騎手の変幻自在な手綱さばきに舌を巻くとともに、本馬が持つもう一つの引き出しを開けたことは今後の戦いにプラスになっていくだろう。父ブラックタイド、母の父キングカメハメハという血統も、今後の距離延長でもっと良さが出てくるはずだ。
前週の阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)を除外されて本レースに回ってきた牝馬のタガノエルピーダだが、3着に食い込んだポテンシャルの高さは大威張りできるもの。新馬戦を勝ったばかりの馬がここまでの力を見せるのも異例のことだし、勝ち馬に交わされても最後まで集中を切らさずに走り切ったメンタルの強さも目立った。桜花賞はもちろんだが、父キズナ、母の父キングカメハメハという血統から見ると、オークスでより期待できるのではないだろうか。
一方、折り合いを欠いて惨敗したシュトラウスとダノンマッキンリーは、これまでのレースでも少なからず見せていた前進気勢の強さが裏目に出てしまった。
シュトラウスのマーカンド騎手は「外枠が痛かった。引っ掛かったわけではありませんが、交わされたときに集中力が切れてしまった」と話しているようだが、バックストレッチで暴走気味に先頭まで上がっていった様子を見る限り、そのコメントを額面通りに受け取るのは難しい。
8着に惨敗したダノンマッキンリーは、ルメール騎手が「ペースが遅すぎた。もう少し速いペースになってほしかった」とコメントし、レースの流れに敗因を求めた。しかしVTRで確認する限り、やはり本馬の強すぎる悍性がもたらした結果だと判断すべきだと感じる。
2頭とも能力が高いことは明らかなだけに、レースで鞍上と折り合って進めるだけのメンタルの成長が見られるかどうかが、今後のカギになる。
取材・文●三好達彦
【動画】ジャンタルマンタルが無傷の3連勝で戴冠した朝日杯FSをチェック
ジャンタルマンタルは、日本へ種牡馬として新たに輸入されることが決まったパレスマリス(Palace Malice)で、本馬は持込馬となる。
背中がすらりと長いスケールの大きい馬体は目を引き、同時にレースでは馬群のなかを進んでも我慢がきき、鞍上のゴーサインに即時に反応するなど、操縦性の高さも優秀。川田騎手ならずとも、将来性は十分と言える好素材で、順調に行けば来春はクラシックの中心を走る存在となるだろう。
8月のコスモス賞(2歳オープン、札幌・芝1800m)の勝利以来、約4カ月ぶりのレースとなったエコロヴァルツだが、終いの爆発的な末脚には驚かされた。
鞍上の武豊騎手は向正面で他馬にぶつけられて位置を最後方まで下げざるを得なかったことを悔しがったが、これまでの2戦は先行策をとっていただけに、武豊騎手の変幻自在な手綱さばきに舌を巻くとともに、本馬が持つもう一つの引き出しを開けたことは今後の戦いにプラスになっていくだろう。父ブラックタイド、母の父キングカメハメハという血統も、今後の距離延長でもっと良さが出てくるはずだ。
前週の阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)を除外されて本レースに回ってきた牝馬のタガノエルピーダだが、3着に食い込んだポテンシャルの高さは大威張りできるもの。新馬戦を勝ったばかりの馬がここまでの力を見せるのも異例のことだし、勝ち馬に交わされても最後まで集中を切らさずに走り切ったメンタルの強さも目立った。桜花賞はもちろんだが、父キズナ、母の父キングカメハメハという血統から見ると、オークスでより期待できるのではないだろうか。
一方、折り合いを欠いて惨敗したシュトラウスとダノンマッキンリーは、これまでのレースでも少なからず見せていた前進気勢の強さが裏目に出てしまった。
シュトラウスのマーカンド騎手は「外枠が痛かった。引っ掛かったわけではありませんが、交わされたときに集中力が切れてしまった」と話しているようだが、バックストレッチで暴走気味に先頭まで上がっていった様子を見る限り、そのコメントを額面通りに受け取るのは難しい。
8着に惨敗したダノンマッキンリーは、ルメール騎手が「ペースが遅すぎた。もう少し速いペースになってほしかった」とコメントし、レースの流れに敗因を求めた。しかしVTRで確認する限り、やはり本馬の強すぎる悍性がもたらした結果だと判断すべきだと感じる。
2頭とも能力が高いことは明らかなだけに、レースで鞍上と折り合って進めるだけのメンタルの成長が見られるかどうかが、今後のカギになる。
取材・文●三好達彦
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