専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
その他

日本馬の連覇叶わずも、ウシュバテソーロのアタマ差激走で実感した近代日本競馬の”多様性時代”の到来【サウジカップ】

三好達彦

2024.02.26

 ハイペースを読み切って後方を進むという豪胆な騎乗でウシュバテソーロの能力を遺憾なく発揮させた川田騎手は、「馬の具合は素晴らしく、レースでもこの馬らしい気持ちを出して、とてもいい走りをしてくれました。勝つという結果だけ得ることはできませんでしたが、本当にいい走りだったと思います」と愛馬を称賛した。

 また、高木調教師は「馬はしっかり走ってくれて、完璧なタイミングで差したと思っていたのですが…」と悔しさをにじませたが、続けて「2000mの方がレースはしやすいので、このレースはドバイにつながると思います」と語り、次走に参戦を予定しているドバイワールドカップの名を挙げ、同レースの連覇に向けて気持ちを切り替えていた。

 ウシュバテソーロは、2022年末に東京大賞典(GⅠ)を勝ってトップホースの仲間入りを果たすと、川崎記念(JpnⅠ)とドバイワールドカップ、日本テレビ盃(JpnⅡ)と4連勝。続くブリーダーズカップ・クラシックこそ、ホワイトアバリオ(1番人気)の5着に敗れたものの、着差は0秒5と大きな差のないレースを見せた。昨年末には東京大賞典を連覇し、今回のサウジカップも”勝ち同然”の2着に食い込み、その能力がダート戦線で世界トップクラスにあることを証明した。

 次走のドバイワールドカップ連覇に期待が高まるとともに、秋にはブリーダーズカップ・クラシックに再チャレンジする予定で、昨年のリベンジを果たしてほしいと願うばかり。”怪物”と称された父オルフェ―ヴルの最良産駒として、生産地からのラブコールも日に日に大きくなるなか、大きな土産物を手に将来の種牡馬となる日を期待したい。
 
 5着のデルマソトガケも、激しい先行争いに加わりながら、最後までじりじりと伸び続けて上位に食い込んだのは、さすがのひと言。

 同馬は昨年3月にUAEダービー(G2、メイダン・ダート1900m)を制し、海外初の重賞を手に入れると、その後は海外を中心に転戦。米クラシック伝統のケンタッキー・ダービー(G1、チャーチルダウンズ・ダート2000m)は6着も、ダート最高峰のブリーダーズカップ・クラシックでは2着に入り、高いポテンシャルをあらためて示した。こちらも次走はドバイワールドカップへ向かう予定で、馬場適性を含めて好走への期待は大きい。

 12着に惨敗し、人気を大きく裏切ることになったレモンポップ。田中調教師は「前に(付けた馬に)厳しい流れになったのは確かですが」と前置きしたうえで、「自分が思う馬の適性と、この馬の本当の適性がマッチしてないという気がします。これからは体だけではなく、気持ちの面を含めて見直していきたい」とコメントし、本馬の走りについてベースから再考する意向を示した。国内では間違いなくトップの力を持っているだけに、今後の動向に注目したい。
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号