対抗には近2走の成績が振るわないが、あえてタスティエーラをピックアップしてみたい。
日本ダービーからの“ぶっつけ”で臨んだ昨年の菊花賞は、テン乗りのジョアン・モレイラ騎手が距離延長を気にしすぎて位置取りが後ろになってしまい、追い込み切れなかった2着だと見える。続く有馬記念の6着はレース間隔を長めにとったとはいえ、疲労残りだった公算が大きい。
前走、11着に敗れた大阪杯について堀調教師は「敗因はよく分からないが、輸送後にカイバを8割方残していた」とコメントしている。今回は「菊花賞のときより、いい印象を持っている」と話しており、大舞台での巻き返しを期している。
そして今回は、鞍上に菊花賞以来となるモレイラ騎手を確保した。同レースでドゥレッツァに完敗(0秒6差の2着)を喫し、2度目の騎乗となる”マジックマン”に前回以上の着順を期待するのは無理筋とは言えないだろう。積極的な競馬で、タスティエーラのしぶとさを活かしきれれば、ダービー馬の上位進出は可能だと考える。
3番手評価は、菊花賞馬に敬意を表し、前日最終オッズで2番人気に支持されているドゥレッツァに献上したい。
新馬戦こそ3着に敗れたものの、以降はすべてのレースで上がり最速を記録。破竹の5連勝で、一気にGⅠ制覇を果たした本馬の能力を疑う余地はない。ただし、その菊花賞以来のレースとなった今年3月の金鯱賞(GⅡ、中京・芝2000m)の内容にはやや不満が残る。59㌔を背負っての休養明け初戦というのがハードな条件というのは認めても、勝ち馬ブログノーシス(牡6歳/栗東・中内田充正厩舎)にあっさりと交わされて、5馬身差を付けられたのはいただけない。
レース後は栗東トレセンに滞在し、現地のウッドコースで素軽い動きを見せて、ひと叩きの効果を感じさせた。しかし一方で、尾関調教師は「長距離に適性があるのだろうが、ステイヤーとも思っていないので、距離延長はチャレンジだと思っている」と意味深なコメントを残す。
さらに、今回は主戦のクリストフ・ルメール騎手がドバイのレース中に負傷し、戸崎圭太騎手に乗り替わるのも気になる。当の戸崎騎手は、昨年の3勝クラスで本馬に騎乗して勝利を挙げているものの、当時とは明らかに馬の状態や条件も異なるので参考外とみていいだろう。あっさり勝っても何の不思議もない馬ではあるが、前述した不安要素を割り引いて、3番手の評価にとどめておきたい。
他候補は、以下の通りだ。タフなレースになれば出番がありそうなブローザホーン(牡5歳/栗東・吉岡辰弥厩舎)、昨年の本レース3着のシルヴァーソニック(牡8歳/栗東・池江泰寿厩舎)は要マーク。それに加えて、特注馬としてハーツクライ産駒のチャックネイト(せん6歳/美浦・堀宣行厩舎)を押さえておく。
同馬は右回りが〔2・1・3・1〕、3カ月以上の休養明けが〔4・0・2・0〕という良績を残しており、去勢したあと3勝クラスを勝ってオープン入りしてからは、アルゼンチン共和国杯(GⅡ、東京・芝2500m)で3着、AJCC(GⅡ、中山・芝2200m)で重賞初制覇を飾っている。気性面での成長を結果につなげており、6歳にして初のGⅠ挑戦となるが、強豪相手にどんなレースを見せてくれるのか、大いに楽しみな存在である。
文●三好達彦
【動画】春の天皇賞に臨む精鋭17頭の参考レースをチェック
日本ダービーからの“ぶっつけ”で臨んだ昨年の菊花賞は、テン乗りのジョアン・モレイラ騎手が距離延長を気にしすぎて位置取りが後ろになってしまい、追い込み切れなかった2着だと見える。続く有馬記念の6着はレース間隔を長めにとったとはいえ、疲労残りだった公算が大きい。
前走、11着に敗れた大阪杯について堀調教師は「敗因はよく分からないが、輸送後にカイバを8割方残していた」とコメントしている。今回は「菊花賞のときより、いい印象を持っている」と話しており、大舞台での巻き返しを期している。
そして今回は、鞍上に菊花賞以来となるモレイラ騎手を確保した。同レースでドゥレッツァに完敗(0秒6差の2着)を喫し、2度目の騎乗となる”マジックマン”に前回以上の着順を期待するのは無理筋とは言えないだろう。積極的な競馬で、タスティエーラのしぶとさを活かしきれれば、ダービー馬の上位進出は可能だと考える。
3番手評価は、菊花賞馬に敬意を表し、前日最終オッズで2番人気に支持されているドゥレッツァに献上したい。
新馬戦こそ3着に敗れたものの、以降はすべてのレースで上がり最速を記録。破竹の5連勝で、一気にGⅠ制覇を果たした本馬の能力を疑う余地はない。ただし、その菊花賞以来のレースとなった今年3月の金鯱賞(GⅡ、中京・芝2000m)の内容にはやや不満が残る。59㌔を背負っての休養明け初戦というのがハードな条件というのは認めても、勝ち馬ブログノーシス(牡6歳/栗東・中内田充正厩舎)にあっさりと交わされて、5馬身差を付けられたのはいただけない。
レース後は栗東トレセンに滞在し、現地のウッドコースで素軽い動きを見せて、ひと叩きの効果を感じさせた。しかし一方で、尾関調教師は「長距離に適性があるのだろうが、ステイヤーとも思っていないので、距離延長はチャレンジだと思っている」と意味深なコメントを残す。
さらに、今回は主戦のクリストフ・ルメール騎手がドバイのレース中に負傷し、戸崎圭太騎手に乗り替わるのも気になる。当の戸崎騎手は、昨年の3勝クラスで本馬に騎乗して勝利を挙げているものの、当時とは明らかに馬の状態や条件も異なるので参考外とみていいだろう。あっさり勝っても何の不思議もない馬ではあるが、前述した不安要素を割り引いて、3番手の評価にとどめておきたい。
他候補は、以下の通りだ。タフなレースになれば出番がありそうなブローザホーン(牡5歳/栗東・吉岡辰弥厩舎)、昨年の本レース3着のシルヴァーソニック(牡8歳/栗東・池江泰寿厩舎)は要マーク。それに加えて、特注馬としてハーツクライ産駒のチャックネイト(せん6歳/美浦・堀宣行厩舎)を押さえておく。
同馬は右回りが〔2・1・3・1〕、3カ月以上の休養明けが〔4・0・2・0〕という良績を残しており、去勢したあと3勝クラスを勝ってオープン入りしてからは、アルゼンチン共和国杯(GⅡ、東京・芝2500m)で3着、AJCC(GⅡ、中山・芝2200m)で重賞初制覇を飾っている。気性面での成長を結果につなげており、6歳にして初のGⅠ挑戦となるが、強豪相手にどんなレースを見せてくれるのか、大いに楽しみな存在である。
文●三好達彦
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