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陸上

日本陸上界に現れたニューヒロイン。日本一に輝いたスーパー女子高生・久保凛の次なる“夢”「800mが好き。日本代表を目指したい」

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2024.07.13

ラストスパートをかけた久保は先頭でゴールを駆け抜けた。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

ラストスパートをかけた久保は先頭でゴールを駆け抜けた。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

 記念撮影を終え、囲み取材に現れたニューヒロインは落ち着いた表情で、「初めての日本選手権で初優勝という結果を残すことができたのは率直に嬉しい」と声を弾ませた。だが直後には、「ラストはしっかりスパートして勝ち切ることができましたけど、狙っていたタイムがあったので悔しかった部分はありました」と話し、パリ五輪の参加標準記録(1分59秒30)と高校記録(2分02秒57)の両タイム突破を本気で狙っていたことを明かした。

 オリンピックを目指すトップ選手がしのぎを削る舞台で、久保は堂々と表彰台の真ん中に立ち日本一に輝いた。非常に価値ある優勝だと思うが、彼女の口からは「400mからしっかりスピードを上げて、最初と最後のスピードを維持できるようにしないといけない。ラストもリズム良くスパートをかける練習が必要だと思う」と課題を挙げ、さらなるレベルアップを誓った。

 さらに将来の目標についても、高い志を16歳は見せた。「800mという種目が好きです。世界の選手は2分を切るのが当たり前のようにいるので、その差を詰められるように、来年は(800mの)日本代表を目指したいと考えています。世界大会で入賞は高い目標だけど、徐々に狙っていきたいです」と話し、世界との壁が厚いと言われ続けてきた同種目での代表入りを宣言した。
 
 来年9月には、東京・国立競技場で世界陸上が18年ぶりに日本で開催される。さらに28年にはロス五輪も控えている。「4年後のオリンピックにつながる。(世界陸上は)絶対に出場するという強い気持ちを持って、これからも練習に取り組みたい」と彼女は言葉に力を込めた。

 もう『サッカー日本代表・久保建英(レアル・ソシエダ)のいとこ』というキャッチコピーは必要ない。この日、久保凛は実力で日本陸上界の次世代ヒロイン候補に堂々と名乗りを上げた。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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