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格闘技・プロレス

打ち合い必至のカシメロ戦は井上尚弥が明らかに優位!パッキャオの元アシスタントも「スキル面では井上が明白に上」と太鼓判

杉浦大介

2020.02.02

 筆者が何より大きいと感じているのは、井上が前戦でこれまで未知数と考えられて来た部分を証明したことだ。昨年11月に行われたドネア 戦で、井上はサイズで上回る大ベテランに大苦戦。2回に左フックを浴びて右目をカットし、9回にも右を浴びるなど、ピンチも少なからずあった。それでも日本のモンスターは最後まで力を保ち、終盤11回にダウンを奪っての判定勝利を手にした。

「井上は単なるパワーパンチャーではなく、タフなファイターであることを証明しました。私はこれまで左フックで多くの選手を倒してきましたが、彼は最後まで立ち続けました」

 試合後、ドネアが残した言葉からは、フェザー級でも戦った自身のハードパンチに井上が耐え続けたことへの驚きが滲んだ。実際に周辺階級では最大級のパワーを誇るドネアに打ち勝ったことで、井上はこれまで早期決着が多いがゆえに未知数だったタフネス、スタミナも一線級であると示したと言って良い。
 
 もちろん、だからといってカシメロのパンチでダメージを受けないということにはならないが、強敵との戦いが続きそうな今後に向けて、井上本人、陣営にとっての自信になることは間違いない。パワー自慢の相手と対戦する次戦でも、“井上有利”という予想の根拠の1つにはなるはずである。

 怖いのは、序盤に1、2発を避け損ねたことで受けるダメージよりも、それによって前戦で負った右目の傷口が開いてしまうことの方かもしれない。そういったアクシデントさえなければ、やはり井上の中盤あたりでのKO勝利が有力か。カシメロのディフェンスの穴を考えれば、もっと早く決着がついても驚かない。

 いずれにしても、ベガスに集まったファンを喜ばせるだけの軽量級離れした迫力あるファイトになることが濃厚。最後は破壊的なノックアウトか、格の違いを見せつけた上でのストップで、モンスターがキャリアの新章を鮮やかにスタートさせる可能性が高いのではないか。

取材・文●杉浦大介

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【著者プロフィール】
すぎうら・だいすけ/ニューヨーク在住のスポーツライター。MLB、NBA、ボクシングを中心に取材・執筆活動を行う。ツイッターIDは@daisukesugiura。
 

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