これに対し、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は「最も重要なのはユウキが無事だったということだ。車は修復できる。彼は左側の縁石を少し取りすぎたのだと思う」、またチームメイトのマックス・フェルスタッペンは「リプレイを見て、『本当にユウキは無事だったのか？』と思った。あのようなクラッシュの後でも大丈夫だったのは本当に良かった。これは、F１マシン（の安全性）がいかに素晴らしいかを物語っている」と、それぞれコメントしている（ブラジルのF１専門サイト『F1 MANIA』より）。

　一方、ヘルムート・マルコ顧問は、「ユウキが怪我をしなかったことを神に心から感謝しているが、彼のクラッシュは言うまでもなく、我々にとっては大きな痛手だ。これから３戦連続でのレースが控えていて、（次戦の）モナコはミスが許されない場所でもある。（その中でのクラッシュで）スペアパーツの状況は非常に厳しくなっている」と、このアクシデントが与えた影響についても指摘した。

『F1.com』は、「角田はFP３でもペースの面で苦戦していました。そして予選ではQ１で縁石に乗りすぎて芝生にタイヤを落とし、スピンしてバリアに激突。大きな衝撃で車は横転したが、それでも無傷で歩いて出てきたのは驚くべきことだった。決勝は最後尾、あるいはマシン修復にかかる作業次第ではピットレーンスタートになる見込みである」と、彼のイモラでの２日目を振り返っている。
  　各国メディアの報道では、イタリアの自動車専門サイト『MOTORIONLINE』が「ユウキの予選は、開始からわずか４分で終了した。日本人ドライバーのクラッシュは、非常に衝撃的かつ恐ろしいものだった。幸いにも彼は無傷で脱出したが、車は完全に破壊されてしまった」と綴り、フランスのモータースポーツ専門サイト『NEXTGEN-AUTO』は「角田はこの週末で最も印象的なシーンを提供。レッドブルのドライバーは、慎重であれば起こらなかったはずの誤りを後悔している。まだQ１だったことを考えれば、なおさらだ」と、批判的に伝えた。

　今予選の「勝者と敗者」を選定した英国のF１専門サイト『PLANETF1.COM』、モータースポーツ専門サイト『CRASH』は、いずれも角田を「敗者」とし、前者は「レッドブルの“セカンドシートの呪い”は続き、角田はセッション序盤に壮絶なクラッシュを喫した。F１の安全性の驚くべき成果により、角田は無事に車から歩いて離れることができたが、決勝ではグリッド最後尾の20番手から、少しでも挽回するしかない」と総括している。

　最後に英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』は、「クラッシュに『良いタイミング』など存在しないが、それでも『特に悪いタイミング』は確かにある。そして角田は、３連戦のスタートを勢いに乗って迎える代わりに、勢いを削がれ、自信を砕かれるような形でバリアに突っ込んでしまった。これは、（次戦）モナコに向けても理想的な準備とは到底言えない。彼は決勝で、何とかして挽回しなければならないが、イモラで追い上げるのは極めて困難だ」と、こちらも日本人ドライバーを厳しく評した。

構成●THE DIGEST編集部

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