2番人気が予想されるジャンタルマンタルだが、本馬の評価が難しい。NHKマイルカップでアスコリピチェーノに2馬身半差を付けて圧勝した能力の高さは疑うべくもないが、その後、7か月ぶりのレースとなった香港マイル(GⅠ、シャティン・芝1600m)では勝ち馬から1秒5差の13着に大敗。これは、遠征前に予定していたレースを熱発で使えず、順調さを欠いたことが要因だったと推察されており、帰国後はじっくりと立て直して安田記念へと臨んできた。
追い切りでは、さすがGⅠ馬と唸らせる動きを披露している。とはいえ、ここも前走から約7か月の休養明け。本来は大きく成長するとされる3歳秋から4歳春に順調な使い方ができなかったのはマイナスポイントだ。対抗の評価まではできず、様子見の意味も含めて、ここでは押さえまでに留めておく。
かわって対抗馬に推したいのは、前走から武豊騎手に手綱を託されたジュンブロッサム(牡6歳/栗東・友道康夫厩舎)である。
特筆できるのは、昨秋の富士ステークス(GⅡ、東京・芝1600m)のレース内容だ。中団の後ろ目で脚をためると、直線で上がり33秒1の豪脚を繰り出し、先に抜け出していたソウルラッシュを1馬身差し切って勝利を収めたのである。前走のマイラーズカップは、やや出遅れながらも0秒1差に健闘。GⅠ初挑戦となった昨秋のマイルチャンピオンシップは最後まで出遅れが響いて10着に大敗しているが、叩き2戦目のマイラーズカップで良績を残し、春のピークを迎えるであろう安田記念は絶好の舞台になると見る。
3番手にはGⅡ3勝の実績を誇るシックスペンス(牡4歳/美浦・国枝栄厩舎)を推す。勝った重賞は、スプリングステークス、毎日王冠、中山記念とすべて1800m。しかし2歳時のことではあるものの、芝1600mの成績は2戦2勝。激戦になった場合は、マイルより長めの距離で実績を持つ馬が台頭するのは安田記念で知られた特徴。混戦に断を下す大駆けがあっても驚けない。
4番手以降、押さえに指名したい馬は、ジャンタルマンタルを除いても数多いる。東京新聞杯で直線12番手から凄まじい追い込み勝ちを見せたウォータリヒト(牡4歳/栗東・石橋守厩舎)。昨年のマイルチャンピオンシップで3着に入り、今回からブリンカーを装着する新機軸が怖いウインマーベル(牡6歳/美浦・深山雅史厩舎)。重賞2連勝で心境著しいロングラン(せん7歳/美浦・和田勇介厩舎)である。
そして最後に大穴候補を挙げるなら、ベテラン馬のサクラトゥジュール(せん8歳/美浦・堀宣行厩舎)だ。昨春の東京新聞杯、今年の京都金杯(GⅢ、京都・芝1600m)を制して力の衰えは見せず、今回はダミアン・レーン騎手を鞍上に招いたのも強調材料である。
文●三好達彦
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特筆できるのは、昨秋の富士ステークス(GⅡ、東京・芝1600m)のレース内容だ。中団の後ろ目で脚をためると、直線で上がり33秒1の豪脚を繰り出し、先に抜け出していたソウルラッシュを1馬身差し切って勝利を収めたのである。前走のマイラーズカップは、やや出遅れながらも0秒1差に健闘。GⅠ初挑戦となった昨秋のマイルチャンピオンシップは最後まで出遅れが響いて10着に大敗しているが、叩き2戦目のマイラーズカップで良績を残し、春のピークを迎えるであろう安田記念は絶好の舞台になると見る。
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4番手以降、押さえに指名したい馬は、ジャンタルマンタルを除いても数多いる。東京新聞杯で直線12番手から凄まじい追い込み勝ちを見せたウォータリヒト(牡4歳/栗東・石橋守厩舎)。昨年のマイルチャンピオンシップで3着に入り、今回からブリンカーを装着する新機軸が怖いウインマーベル(牡6歳/美浦・深山雅史厩舎)。重賞2連勝で心境著しいロングラン(せん7歳/美浦・和田勇介厩舎)である。
そして最後に大穴候補を挙げるなら、ベテラン馬のサクラトゥジュール(せん8歳/美浦・堀宣行厩舎)だ。昨春の東京新聞杯、今年の京都金杯(GⅢ、京都・芝1600m)を制して力の衰えは見せず、今回はダミアン・レーン騎手を鞍上に招いたのも強調材料である。
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