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ラグビー

伝統国ウェールズをスクラムでねじ伏せた!身長172センチの小兵FW紙森陽太が代表デビュー戦で魅せた執念【ラグビー】

向風見也

2025.07.11

 献身が請われる体制下でチャンスを得た26歳。転機を迎えたのは昨夏のことだ。準優勝した直近の国内リーグワンが始まる前である。

 所属するクボタスピアーズ船橋・東京ベイのコーチを通じ、ニュージーランドのウェリントン・ライオンズへ期限付きで移籍できた。激しいトレーニングで万事への反応速度を求められながら、主戦級として地域代表選手権で優勝した。

 

 当初は悩まされた言語の壁も徐々に解消し、帰国時にはスピアーズにいる海外出身のコーチ、選手の言わんとすることをかなり把握できるようになった。

昨冬からのシーズンを通し、隣同士でスクラムを組む南アフリカ代表のマルコム・マークスから逐一、フィードバックをもらった。言葉が理解しやすくなっていただけに、教えを深く身体化できた。世界一のフッカーとして名高いマークスの強さと相まって、対戦チームの外国人プロップを圧倒することも増えた。自信をつけた。

 ナショナルチームの目に留まったのは、その延長線上でのことだ。

先んじで候補入りを告げられ、正規で選出された際のスケジュールを頭に入れた。公式発表の「30分くらい前」に吉報を聞くと、新婚の妻と短期の「プレハネムーン」を過ごして戦いの準備へ移った。

 やがて、栄えある初陣で同カード12年ぶりの白星を掴んだ。12日にあるウェールズ代表との再戦、かつ己の未来を見据え、謙遜しつつ意気込む。

「(今回は)ファンの方からも『おめでとう』というメッセージをいただいて、親とか奥さんからも…えーと、『あなたは、誇りです』みたいに言ってくれています。『もっと、もっと、誇りになれるように頑張ります』とは、返事をしましたね」

 憧れの組織に身を置いて嬉しかったことは、思わぬところにもあった。

 好物の親子丼だ。

 代表チームの拠点が地鶏の名産地とあり、渋く光る新星は「よく宿舎でも出してもらうのですが、美味しいです。お肉が柔らかいです」と顔をほころばせていた。

取材・文●向風見也(ラグビーライター)

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