専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
競馬

日本と香港を制圧したモーリス 4歳で覚醒した二階級制覇のマイル王【名馬列伝】

三好達彦

2026.08.20

 帰国後、モーリスは2連覇を目指して安田記念に出走。単勝オッズ1.7倍の圧倒的1番人気に推されるが、2番手を進みながら、逃げたロゴタイプを捉まえ切れず2着に敗れるという不覚をとる。異例のスローペースと、初騎乗となったトミー・ベリーの仕掛け遅れが原因とは見られたが、連勝記録は7でストップした。

 このあとモーリスは休養に入るが、陣営は一計を案じる。レース距離を伸ばし、天皇賞(秋)(GⅠ)を目標に中距離(2000m)路線へ進んで“二階級制覇”に挑戦することを決定したのだ。そのステップとして、夏のイベント、ワールドオールスタージョッキーズに来日する名手ジョアン・モレイラを鞍上に迎えて札幌記念(GⅡ)へ出走することとなった。

 単勝オッズ1.6倍の1番人気に推されて迎えた札幌記念。道中8~9番手を進んだモーリスは直線でよく追い込んだが、同厩舎のネオリアリズムに逃げ切りを許して2馬身差の2着に敗れた。しかし末脚はしっかり使えており、小回りコースで追い込み切れなかったのが敗因と見られたため、陣営に大きな落胆の色はなく、当初の予定どおりに天皇賞(秋)へ駒を進めることになった。

 単勝オッズこそ3.6倍まで落としたものの1番人気に推されたモーリスは、前年の香港マイル以来の騎乗となるライアン・ムーアを迎えて素晴らしいレースを見せる。好スタートから先団の5番手付近をキープしたモーリスは直線でラクにロゴタイプを交わして先頭に立つと、懸命に追い込むリアルスティールを1馬身半抑えて快勝。中距離路線で新境地を拓くとともに、5つ目のGⅠタイトルを手にした。

 そして来春からの種牡馬入りが決まり、ラストランとして臨んだのは、前年の香港マイルから、こちらも距離を2000mに伸ばしてエントリーした香港カップ(GⅠ)。香港でも絶大な評価を得ているモーリスは単勝1.6倍の1番人気に推されて出走し、逃げたエイシンヒカリを直線半ばで捉えて先頭に躍り出ると、差してきた地元のシークレットウェポン(Secret Weapon)に3馬身差を付けて圧勝。チャンピオンに相応しい強いレースをファンの目に焼き付けて現役生活に別れを告げたのだった。
 
 種牡馬となってからのモーリスは、初年度から265頭もの交配相手を集め、下半期にはシャトル種牡馬としてオーストラリアでも種付けを行っている。そして日本ではピクシーナイト(スプリンターズステークス)、ジェラルディーナ(エリザベス女王杯)、ジャックドール(大阪杯)、アドマイヤズーム(朝日杯フューチュリティステークス)というGⅠホースを輩出し、オーストラリアでもヴィクトリアダービーを制したヒトツ(Hitotsu)など、3頭のG1ホースを送り出す活躍を見せている。

 年々急速な進化を遂げる日進月歩の現代競馬において、歴史的な背景を持つ牝系の力をよみがえらせたモーリス。安価な取引から見事な下剋上を見せたモーリスは、あらためて競馬における血統の価値を再認識させてくれる稀有な名馬である。

文●三好達彦

【画像】長澤まさみ、見上愛、松本まりか、池田エライザ、倉科カナ、山本美月...全国の競馬場を盛り上げた“美人女優たち”を紹介!

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号

  • soccer_digest

    8月7日(金)発売

    定価:980円 (税込)
  • world_soccer_digest

    8月20日(木)発売

    定価:980円 (税込)
  • smash

    8月20日(木)発売

    定価:800円 (税込)
  • dunkshot

    6月26日(金)発売

    定価:1100円 (税込)
  • slugger

    7月24日(金)発売

    定価:1100円 (税込)