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格闘技・プロレス

リングに雀卓!? まさかの“三人麻雀デスマッチ”TORUが見た藤原秀旺の脅威「軽い気持ちで名前出しちゃいけなかった…」【TTT】

萩原孝弘

2021.05.09

 雀卓をリングに持ち込み、牌を並べ始める渡鳥連合の竹田誠志と木村太輔。先に秀旺がコールされるが、何故か持ち込まれたモアイ像を木村が指差し、会場中が「?」に包まれる中、続いて塚本拓海が入場した。

 最後にリングインしたTORUは、意気揚々と卓の前に鎮座。三麻デスマッチが始まるかと思われた。しかし、本部席から「渡鳥連合の都合で三麻デスマッチはキャンセル。通常の3ウェイマッチとして行なう」と発表され、ますます混沌とした状況下でゴングが鳴った。

 3ウェイながらひとりはモアイのため、実質、塚本とTORUのシングルマッチとなっていったが、もはやお約束のセコンド介入により塚本がペースを握っていく。

 黙っていられないTORUもドラゴンスクリュー、ドロップキック、フットスタンプで攻めるが、実力者・塚本も豪快な雪崩式ブレインバスターで両者ダウンと一進一退の展開になるが、試合開始10分のコール後に会場入口から藤原がスーッと入場していた。

 もちろんノーダメージの藤原は、元気いっぱいにTORUへストレートを打ち込み、ボクサー風に巻いていたバンテージを外して首を締めにかかる。さらにTORUに当たったレフェリーが失神すると、リング上は無法地帯と化し、渡鳥連合4人が総攻撃を開始した。

 見るに見かねたT-oodsの“盟友”瀧澤晃頼が救出を図るも、返り討ちにあい状況は好転しなかったが、TORUも意地を見せ、藤原に延髄斬りをお見舞いすると、瀧澤もミサイルキックで援護。
 
 一気にペースを掴むと殺傷力の高いドロップキック、シャイニングウィザードを繰り出したあと、トドメの垂直落下式ブレインバスターを狙うも藤原がうまく着地。塚本が足を抑えるなか、何故か持ち込まれた“本田理沙”のジャンボバスタオルでTORUの顔を覆いながら、藤原が王道の強烈なバックドロップが炸裂。乱戦に終止符を打った。

 試合後、TORUはリング上で「軽い気持ちで名前出しちゃいけなかった……。藤原秀旺ワールド、予想のだいぶ上を行っていました。今日のために麻雀勉強してきたのに。クソ!」と少し後悔した様子だったが、「でもワクワクしますよ。今日は負けましたけど、6月に新宿FACE、TTT認定インディー統一無差別級王座を賭けて、わけわからん藤原秀旺ワールドを味わわせてくださいよ。どっぷり浸かって、俺が初代王者になる」と宣言した。

 囲み取材でも「体感して、度肝を抜かれましたね。思ってたより数倍スゴかったです。狂ってます。狂ってるだろうなって分かってたけど、相当狂ってました」と振り返ったTORUは、来月に迫ったタイトルマッチには「当日までこのまますんなり行くとも思ってないです。なんかTwitterでメッセージアップして、ぐちゃぐちゃ言うて来るでしょう。それは僕も楽しみ」と相手の攪乱戦法は想定済みだ。

「でも僕は試合中に見たんですよ。あんなに頭おかしい藤原秀旺が目の前で素の顔になった瞬間を僕は一瞬見たんです。『もしかしたら頭おかしいフリしてるんちゃうの?』って思わせられる、『素』の藤原秀旺の顔を見た。6月にもう1回あの顔を出させて、そこを畳み掛けてベルトも獲りたいと思います」

 これはTORUの本心なのか。それとも逆に攪乱を狙っているのか。TTT認定インディー統一無差別級選手権初代王座を賭けた戦いは、すでに始まっている。

取材・文●萩原孝弘

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