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格闘技・プロレス

引きこもりの15歳が単身プエルトリコへ!新日本の異端児に憧れたハイビスカスみぃが歩んだ夢の時間までの“20年”

萩原孝弘

2022.03.15

 そして「このタイミングしかない」会場、年齢、記念試合と様々な条件がマッチした22年3月4日、ついにケンドー・カシンとのシングル戦が実現した。

 試合内容は“得意”の嘘泣きや、盟友・乱丸をセコンドにカナシバリなど“ハイビスカスみぃワールド”が全開。最後はカシンの必殺・腕ひしぎ十字固めの前にタップアウトし、9分5秒の一戦はゴングが鳴った。

 ハイビスカスみぃは、「イメージのままのやりたい放題できました。真っ向勝負で挑むと思われていたお客さんが多かったと思うんですけど、私は自分のスタイルを貫きたいと思いまして。これが私の20年やってきたことなので、私は満足しています!」と夢の時間を楽しんだ。その「なんとかリングで涙は出さなかった」と話すホッとした表情は、何よりも印象的だった。

 試合後にカシンから控室に呼ばれると、サプライズで"20周年おめでとう”のメッセージ付きのマスクのプレゼントが待っていた。「バックステージで号泣しちゃいました」と赤い目を腫らしての笑顔は、あの頃の少女に戻っていた。

 疾風怒濤で駆け抜けたレスラー人生。憧れた戦士とのシングルマッチも終え、「今はできるだけ長くレスラーでいたいですね。やっぱりプロレスが大好きだし、少しでも長くリングに立っていたい」と話す本人は、「『みゆきばぁちゃん、まだ現役らしいで!』って言われるくらい! ギネスに認定されるようになるには何歳まで続ければいいのでしょうか?」とおどけるが、いつの間にか達成してしまうような雰囲気を漂わせる。

「まぁでもそれはあくまでも現時点での話で、もしかしたらそれまでに他にやりたい事が見つかるかもしれないし。ってなったら来年やってるかどうかもわからないじゃないですか?やっぱりこれからもテキトーに生きていくんだろうなと思います」

 底抜けに明るい笑顔で、どこまでも楽天的に未来を見据えるハイビスカスみぃ。自然体のなかにハイビスカスの花言葉通り「精細な美」と「勇敢」を兼ね備える稀有な美女レスラーは、これからも“私を探して”、戦い続ける。

取材・文●萩原孝弘

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