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ラグビー

元日本代表が考える優勝チームは? 3つの条件を高次でクリアするのは3チーム!カギを握る準々決勝の注目カードは?【ラグビーW杯】

向風見也

2023.10.06

後藤氏が優勝候補のひとつに推すアイルランド。司令塔のセクストン(写真)がチームを牽引する。(C) Getty Images

後藤氏が優勝候補のひとつに推すアイルランド。司令塔のセクストン(写真)がチームを牽引する。(C) Getty Images

条件3 適材適所の人材配置

 ここからは、ラグビーで起こりうる攻防のシチュエーションを「キッキングゲームの優劣(陣地の獲り合い)」「ポゼッションからのアタックとディフェンス(ボールを保持しながらの攻防)」「スクラムからのアタック、ディフェンス」「ラインアウトからのアタック、ディフェンス」と4分割。前述したルールの変化、分析力の高まりに絡め、説明を広げる。
 

「僕が現役選手をしていた約20年前は、その4つのうちどれかが秀でていれば勝てたんです。ラグビーが発達しておらず、それ以外のものに弱点があってもごまかせたんです。ただ、いまはルールや分析力の変化によって、この4つがゲームのなかで必ず発生するようになった。例えば、機動力ばかりを重視して体重が軽くなると、一定確率で起こるスクラムで押されて反則を取られ、自陣ゴール前に…となる。あらゆる要素が必要だと、決まっているんです」

 キッキングゲームでは、キック力と同時に蹴られそうなスペースをカバーする運動量が必須。ポゼッションからの攻防では、それぞれが流動的になりながら組織的にスペースを破ったり、埋めたりする連動性がマストとなる。

 さらにスクラムでは身体の大きさや押し合いに耐える忍耐強さ、ラインアウトでは身長に加えて捕球位置を定める読みと判断も問われる。

 このような、局面ごとに求められる多彩な要素をすべてカバーしなければならない。となると…。

「ルールの制限を受けずに、様々なルーツの選手を集められる国が有利になるとも言えます。もちろん、ひとつのルーツのなかでも身体の大きい人、小さい人と色々な個性がありますが、ルーツごとの身体的、メンタリティの特徴の違いも存在します。(多彩なルーツの選手を束ねているチームの方が)勝つために必要な要素を満たしやすいのではと思うのです」

 そしてこれら3つのうち、現時点で目視しやすい「2」と「3」の「条件」を高次でクリアしているのはどこか。

「フランスと南アフリカ、そしてアイルランドです」
 
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