優勝候補に上がっていたペルージャの敗退に、複数の現地メディアが「予想外の大失速」「惨敗」「王者陥落」など厳しい評価が並ぶ。2連敗から見事な復活を遂げたチヴィタノーヴァは、選手の活躍はもちろん、緊張が続くシリーズの中で敗戦後にフィジカルとメンタルをベストな状態に仕上げ、選手個々の潜在能力をチームプレーに落とし込んだ監督の手腕とスタッフの尽力に称賛が集まった。
なによりも勝敗を分けたのは、走りに走ったチヴィタノーヴァのサーブ。エースが17本、ブレークは31回だったのに対し、ペルージャはエース6本、ブレーク20回と大きく下回った。チーム2位の13得点(アタック12、エース1)を挙げた石川は、シーズン終盤にかけてレセプションの精度を急上昇させていたが、エース8本を許して苦戦。上げたボールの9割程は、司令塔のイタリア代表シモーネ・ジャンネッリへピタリと届けるAパスだっただけに、悔しさが残るパフォーマンスとなった。
サーブを炸裂させてMVP(マン・オブ・ザ・マッチ)を受賞したボットロは、準決勝の開幕当初に「この結果を予想していたか?」と問われると、「答えはノーだよ。ペルージャは世界トップクラスの優れたクラブだから、僕らはそれが難しいことを理解していた。でも、決勝へ進みたいと思っていた。そして、その願いを叶えたんだ」とコメント。兼ねてから自身にとって“お手本”と公言する石川との対戦に勝利したことに、「本当にうれしい!」と顔をほころばせた。
試合後、イタリア公営放送局『Rai』の名物実況であるマウリッツィオ・コラントーニ氏が直撃取材に応えてくれた。同氏は、次のようにペルージャが敗退した要因を考察している。
「ペルージャは2連勝後に調子を落とし、チームとしてのプレーが影を潜めた。重圧がなく一丸となったチヴィタノーヴァと真逆になってしまった。勝利した初戦で非常にミスが多かったことが気になっていた。ただ、このシリーズは連戦で、ペルージャにとって決勝進出は達成すべき最低限の目標だったはず。その中でチームの状態を大きく変化させることは至難の業だったと思う」
「それに、これは僕の意見だが、ペルージャは初の欧州王者になるチャンスがあるCL(CEVチャンピオンズリーグ)に、クラブとして並々ならぬ思いを抱いている。それが、チームに何らかの影響を及ぼしたのかもしれない」
また、26年にわたり五輪も含め各種スポーツの実況を担ってきた同氏は、石川についてこう言及した。
「ユウキに求められているのは、安定したパフォーマンスの継続だと思っている。私は、このリーグで彼を10シーズン見てきて、どれだけ優秀で素晴らしい選手なのかを熟知している。ユウキは、試合に出場し続けることで能力を最大限に発揮するタイプ。今日のような頻繁な交代や今季の起用は、パフォーマンスの波につながって当然だと考えている。ワクワクするユウキのプレーが大好きだから、本音を言えばもっとコートでプレーする姿を見たい! それに尽きるね」
ペルージャは、2戦先勝で決着する3位決定戦へ回る。1位トレンティーノに準決勝で敗れた5位ピアチェンツァと来季CEVチャンピオンズリーグへの最終出場枠を争う新たな戦いが、日本時間4月30日(午前3時30分)にホームでスタートする。
取材・文●佳子S.バディアーリ
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なによりも勝敗を分けたのは、走りに走ったチヴィタノーヴァのサーブ。エースが17本、ブレークは31回だったのに対し、ペルージャはエース6本、ブレーク20回と大きく下回った。チーム2位の13得点(アタック12、エース1)を挙げた石川は、シーズン終盤にかけてレセプションの精度を急上昇させていたが、エース8本を許して苦戦。上げたボールの9割程は、司令塔のイタリア代表シモーネ・ジャンネッリへピタリと届けるAパスだっただけに、悔しさが残るパフォーマンスとなった。
サーブを炸裂させてMVP(マン・オブ・ザ・マッチ)を受賞したボットロは、準決勝の開幕当初に「この結果を予想していたか?」と問われると、「答えはノーだよ。ペルージャは世界トップクラスの優れたクラブだから、僕らはそれが難しいことを理解していた。でも、決勝へ進みたいと思っていた。そして、その願いを叶えたんだ」とコメント。兼ねてから自身にとって“お手本”と公言する石川との対戦に勝利したことに、「本当にうれしい!」と顔をほころばせた。
試合後、イタリア公営放送局『Rai』の名物実況であるマウリッツィオ・コラントーニ氏が直撃取材に応えてくれた。同氏は、次のようにペルージャが敗退した要因を考察している。
「ペルージャは2連勝後に調子を落とし、チームとしてのプレーが影を潜めた。重圧がなく一丸となったチヴィタノーヴァと真逆になってしまった。勝利した初戦で非常にミスが多かったことが気になっていた。ただ、このシリーズは連戦で、ペルージャにとって決勝進出は達成すべき最低限の目標だったはず。その中でチームの状態を大きく変化させることは至難の業だったと思う」
「それに、これは僕の意見だが、ペルージャは初の欧州王者になるチャンスがあるCL(CEVチャンピオンズリーグ)に、クラブとして並々ならぬ思いを抱いている。それが、チームに何らかの影響を及ぼしたのかもしれない」
また、26年にわたり五輪も含め各種スポーツの実況を担ってきた同氏は、石川についてこう言及した。
「ユウキに求められているのは、安定したパフォーマンスの継続だと思っている。私は、このリーグで彼を10シーズン見てきて、どれだけ優秀で素晴らしい選手なのかを熟知している。ユウキは、試合に出場し続けることで能力を最大限に発揮するタイプ。今日のような頻繁な交代や今季の起用は、パフォーマンスの波につながって当然だと考えている。ワクワクするユウキのプレーが大好きだから、本音を言えばもっとコートでプレーする姿を見たい! それに尽きるね」
ペルージャは、2戦先勝で決着する3位決定戦へ回る。1位トレンティーノに準決勝で敗れた5位ピアチェンツァと来季CEVチャンピオンズリーグへの最終出場枠を争う新たな戦いが、日本時間4月30日(午前3時30分)にホームでスタートする。
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