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　リバプールへの移籍を望むアレクサンデル・イサクは、所属先のニューカッスルがこれを認めないことに対して、練習参加拒否などの実力行使に打って出ており、現時点では解決策を見出せない状況にある。

　25歳のスウェーデン代表FWは、自身のSNSで「約束が破られ、信頼が失われれば、その関係は続けられない。今の僕にとって、それが現状だ。だからこそ、変化こそが僕自身だけでなく、すべての人々にとって最善なのである」と投稿し、想いを吐き出した。
  　対してクラブは、公式サイトで「彼のSNS投稿を通じてこの件を知ったことに失望している」と前置きし、以下のように反論している。

「明確にしておくが、アレックスは現在も我々の契約下にあり、クラブ関係者がこの夏、彼に対してニューカッスルを離れることを認めるような約束をしたことは一度もない。（中略）我々は常に、クラブ、チーム、そしてサポーターにとって最善の利益を考慮しなければならない。そして彼には、今夏に売却する条件は成立していないと明確に伝えてきた。アレックスは今も我々の家族の一員であり、彼が再びチームに合流する準備ができた時には歓迎する」

　自身が年間ベスト11に選出され、年間最優秀選手賞にもノミネートされていたPFA（プロサッカー選手協会）の表彰式を欠席した彼は、すでに開幕した新シーズンで歩みを止めたままであり、ニューカッスルの一部サポーターからは「ユダ」と呼ばれ、クラブの練習場外で掲げられた横断幕には「純粋なネズミ」と書かれ、さらにアストン・ビラとの０-０の引き分けに終わったプレミアリーグ開幕戦では、「強欲な野郎」と罵るチャントも聞かれており、その立場を悪くする一方である。

　しかしスポーツ専門チャンネル『ESPN』は、「サポーターは自身の身体にタトゥーを刻んでチームへの忠誠や献身を永遠に表現する存在だが、選手にそれを期待してはいけない。その上で、選手が他のクラブへ移籍したいと望む時に、不忠や裏切りと非難されることがあるが、その裏側のあるものも忘れてはならない」「サッカーにおける『忠誠心』には別の側面があるのだ」と指摘する。

　同メディアは、イサクの件だけでなく、「トレント・アレクサンダー＝アーノルドも昨季、契約満了でレアル・マドリーへ移籍する前にリバプールで同様の扱いを受けた。トッテナムの象徴ハリー・ケインですら、2021年にマンチェスター・シティ移籍に失敗した際にはファンから嘲笑された。そしてロビン・ファン・ペルシが2012年にアーセナルの主将でありながらビッグタイトル獲得を望んでマンチェスター・ユナイテッドへの移籍を強引に推し進めたことを、今でも多くのファンは許していない」と、過去の事例を挙げる。