ガーディアンズ、いや球界全体に激震が走った。現地7月28日、昨季まで3年連続セーブ王を獲得したメジャー屈指のクローザー、エマニュエル・クラッセが野球賭博に関与したとの疑いで、8月31日まで有給の休職処分を科されたのだ。
「野球賭博に関与した」とは具体的にどういうことなのか? クラッセが一体何をしたのか……それは、現時点ではまだ分かっていない。だが、一つ判明しているのは、ガーディアンズではすでに同様の疑惑で調査を受けている選手がもう一人いるということ。クラッセは「2人目」なのだ。
「1人目」は、先発右腕のルイス・L・オティーズ。一足早く7月3日に同じく休職処分を科されている彼の疑惑については、もう少し詳細が判明している。
オティーズは6月15日のマリナーズ戦、および27日のカーディナルス戦に先発登板した際、それぞれストライクゾーンを大きく外れるボールを投じていた。そして、この2球が「ボールになる」ことにオンラインで異常なまでの賭けが集中していた事実が賭博の公平性を調査する会社によって判明。つまり、八百長に加担していたのではないかという疑惑が浮上したのである。
近年、全世界で解禁されるようになったスポーツベッティングにはさまざまな種類があり、試合の勝敗や選手の成績だけでなく、「次の1球」の結果をリアルタイムで予想する「マイクロベッティング」と呼ばれるものがある。オティーズ同様、クラッセもこの「マイクロベッティング」を通じた不成功への加担が疑われている、と考えられている。
北米のスポーツ賭博は2012年頃から徐々に解禁され、現在では38の州で合法化されている。25年の収益は約80億ドル、日本円にして約1兆2000億円と見込まれるなど巨大ビジネスと化している。
だが、八百長などの不正が発生するリスクは当初から指摘されていた。実際、昨年2月には、友人とスポーツ賭博のアカウントを共有していたパット・ホバーグ審判が解雇する事態が発生。さらに6月には内野手のトゥクピタ・マルカーノが、自身が所属していたパイレーツにブックメーカーを通じてベッティングしたことが発覚。マルカーノは該当の試合には出場していなかったにもかかわらず永久追放処分を科されるなど、問題が噴出していた。
もしクラッセも不正行為に関与していたとすれば、その衝撃はホバーグやマルカーノの比ではない。MLB史上最悪の醜聞「ブラックソックス事件」に匹敵する一大スキャンダルに発展する可能性すらある。
構成●SLUGGER編集部
「野球賭博に関与した」とは具体的にどういうことなのか? クラッセが一体何をしたのか……それは、現時点ではまだ分かっていない。だが、一つ判明しているのは、ガーディアンズではすでに同様の疑惑で調査を受けている選手がもう一人いるということ。クラッセは「2人目」なのだ。
「1人目」は、先発右腕のルイス・L・オティーズ。一足早く7月3日に同じく休職処分を科されている彼の疑惑については、もう少し詳細が判明している。
オティーズは6月15日のマリナーズ戦、および27日のカーディナルス戦に先発登板した際、それぞれストライクゾーンを大きく外れるボールを投じていた。そして、この2球が「ボールになる」ことにオンラインで異常なまでの賭けが集中していた事実が賭博の公平性を調査する会社によって判明。つまり、八百長に加担していたのではないかという疑惑が浮上したのである。
近年、全世界で解禁されるようになったスポーツベッティングにはさまざまな種類があり、試合の勝敗や選手の成績だけでなく、「次の1球」の結果をリアルタイムで予想する「マイクロベッティング」と呼ばれるものがある。オティーズ同様、クラッセもこの「マイクロベッティング」を通じた不成功への加担が疑われている、と考えられている。
北米のスポーツ賭博は2012年頃から徐々に解禁され、現在では38の州で合法化されている。25年の収益は約80億ドル、日本円にして約1兆2000億円と見込まれるなど巨大ビジネスと化している。
だが、八百長などの不正が発生するリスクは当初から指摘されていた。実際、昨年2月には、友人とスポーツ賭博のアカウントを共有していたパット・ホバーグ審判が解雇する事態が発生。さらに6月には内野手のトゥクピタ・マルカーノが、自身が所属していたパイレーツにブックメーカーを通じてベッティングしたことが発覚。マルカーノは該当の試合には出場していなかったにもかかわらず永久追放処分を科されるなど、問題が噴出していた。
もしクラッセも不正行為に関与していたとすれば、その衝撃はホバーグやマルカーノの比ではない。MLB史上最悪の醜聞「ブラックソックス事件」に匹敵する一大スキャンダルに発展する可能性すらある。
構成●SLUGGER編集部