ニューヨーク・メッツは現地時間９月５日、千賀滉大のマイナー降格を発表した。右太腿の故障で戦線離脱後、７月より復帰を果たすも、その後の９試合では本来の投球が見られず、首脳陣は再調整を目的とした降格を決断。千賀自身もこれを受け入れ、ポストシーズンを見据えたコンディション調整を望んだようだ。

　今回の報道では、マイナー降格には千賀本人の承諾が必要であるとする、メッツ入団時の契約条項も伝えられた。それにより、首脳陣の通告に対し、素直に首を縦に振った千賀の姿勢が専門サイトからの関心を集めている。

　メッツの情報を発信する専門メディア『Rising Apple』は、現地時間９月６日に千賀滉大のマイナー降格に関する記事を掲載。その中で「金曜日、コウダイ・センガは自ら進んでマイナー行きを受け入れることで、さらに多くのファンの心を掴んだ」と伝えた。 　同メディアは、千賀が首脳陣の判断を「素直に受け入れた」と評価。「センガは降格を拒む考えすら持たなかったようだ」とし、現状のパフォーマンスに納得していない本人の思いを汲み取ったうえで、「不調のままメジャーに居続けるよりも、自分を見つめ直すことを選んだのだろう」と分析している。さらに、「メッツの他の選手たちも、彼の姿勢から学ぶべきだ」と訴えるなど、千賀のプロとしての姿勢を高く評価している。

　トピックでは、メッツの歴史を遡り、「マイナー降格を巡っては、どんなケースでも騒動になりがちだった」として、これまでにも球団と選手の間で摩擦や確執が生じてきた経緯があったことを伝えている。

　続けて、「今季、期待のエースとして注目されていたセンガが、これほど素直に“敗北”を受け入れたことは非常に意義深い」と指摘。「もし状況が異なっていれば、またしても“メッツらしい大失態”になっていたかもしれない」とも持論を展開した。さらに、「今回は、新たな前例を作る行動となった」としたうえで、「チームの柱である彼が、自身の成長を見据えた再調整の計画を受け入れたのであれば、他の誰がそれを拒む理由があるだろうか」と、千賀が示した前向きな姿勢を称賛した。

　また、今後については、「センガはトリプルAで２試合に登板した後、メジャー復帰の可能性がある」としつつも、「トリプルAのシラキュース・メッツは９月中旬に今季のシーズンを終えるため、センガが自分のベストを取り戻すための時間は限られている」とも見通している。

　後半戦のマウンドで苦しみ抜いた末に、マイナーでの再調整を選択した千賀。頼れるエースとしての姿を取り戻し、10月には再びメジャーの舞台に立つことを期待したい。

構成●THE DIGEST編集部

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