日本時間10月3日(現地4日)から、ドジャースはフィリーズとの地区シリーズに臨む。
今プレーオフにおけるフィリーズの大きな特徴の一つは、先発3本柱がいずれも左投手ということだろう。勝利貢献度を表す総合指標WAR(Baseball Reference版)で両リーグトップの8.0を記録したクリストファー・サンチェス、リーグ2位の216三振を奪ったヘスス・ルザード、WAR4.7でリーグ9位のレンジャー・スアレス。いずれも優れた左腕投手である。
彼らを打ち崩して勝ち抜くためには、やはり右打者の働きがカギになる。
だが、ムーキー・ベッツやテオスカー・ヘルナンデスといった、実績のあるレギュラー陣が重要なのは当たり前で、最大限警戒もされるはず。むしろそれ以外の選手たち――アンディ・パヘスや、ミゲル・ロハス、エンリケ・ヘルナンデス、スウィッチヒッタ-のトミー・エドマンらの働きがカギとなってくるだろう。
▼アンディ・パヘス
メジャー2年目で27本塁打と飛躍を遂げたパヘスは、左打者相手にはコンタクト重視のアプローチ。ホームランは27本中3本しか打っていないが、打率は.313と高い数字を残している。
さらに特筆すべきは“フィリーズ・キラー”であることだ。6試合とサンプル数は少ないながら、今季は19打数7安打(打率.368)、OPS1.086と優れた成績を残した。中でもサンチェス、ルザード、スアレスの3本柱相手には、計11打数5安打(打率.455)。打線では最大のキーマンと言っていいかもしれない。
▼ミゲル・ロハス
いぶし銀の好守が光るベテラン内野手は、今季は対左腕の強さが際立っている。今季の対左右別の成績は以下の通り。
対右:打数168 打率.238 1本塁打 OPS.594
対左:打数122 打率.295 6本塁打 OPS.879
対右と対左ではまるで別人。この点を買われ、シーズン終盤も左先発時はスタメン起用が増えていた。このシリーズでもそれは変わらないだろう。ちなみにフィリーズの三本柱ではスアレスと通算20打数6安打(打率.300)、二塁打2本と得意にしている。
▼エンリケ・ヘルナンデス
いつも陽気なムードメーカー、みんな大好きのキケも2つの理由からキーマンとして挙げないわけにはいかない。
まずは彼もまた左殺しであることで、対左腕の通算OPS.782は対右腕の.659を120ポイント以上も上回る。打撃不振に苦しんだ今季も、対左OPSは.682と対右(.578)を遥かに凌駕していた。
もう一つは史上最強クラスの“ポストシーズン男”であること。10月の舞台では通算88試合で15本塁打を放ち、OPSは.882。17年のリーグ優勝決定シリーズでは1試合3本塁打を記録したこともある。熱狂的なファンが敵意をむき出しにしてくるフィラデルフィアでも動じない男がいるとすれば、このキケを置いて他にいない。
▼トミー・エドマン
スウィッチヒッターのエドマンは、右打席ではパワーを発揮するという特徴がある。左打席では通算2182打席で38本塁打に対し、右打席では773打席で34本塁打。特に今季は122打席で7本塁打と、左投手を相手にした際はパワーヒッターに変貌する。三振も増えるが、OPS.809(左打席は.686)とトータルの攻撃力も右打席の方が高い。
また、キケ同様に大舞台にも強く、昨年のメッツとのリーグ優勝決定シリーズでは打率.407、11打点でMVPを受賞したことでも記憶に新しい。右足首を痛め、決して万全の状態ではないが、このエドマンのバットにも期待がかかる。
構成●SLUGGER編集部
【動画】プレーオフ男エドマン、24年リーグ優勝決定シリーズMVP受賞の瞬間
今プレーオフにおけるフィリーズの大きな特徴の一つは、先発3本柱がいずれも左投手ということだろう。勝利貢献度を表す総合指標WAR(Baseball Reference版)で両リーグトップの8.0を記録したクリストファー・サンチェス、リーグ2位の216三振を奪ったヘスス・ルザード、WAR4.7でリーグ9位のレンジャー・スアレス。いずれも優れた左腕投手である。
彼らを打ち崩して勝ち抜くためには、やはり右打者の働きがカギになる。
だが、ムーキー・ベッツやテオスカー・ヘルナンデスといった、実績のあるレギュラー陣が重要なのは当たり前で、最大限警戒もされるはず。むしろそれ以外の選手たち――アンディ・パヘスや、ミゲル・ロハス、エンリケ・ヘルナンデス、スウィッチヒッタ-のトミー・エドマンらの働きがカギとなってくるだろう。
▼アンディ・パヘス
メジャー2年目で27本塁打と飛躍を遂げたパヘスは、左打者相手にはコンタクト重視のアプローチ。ホームランは27本中3本しか打っていないが、打率は.313と高い数字を残している。
さらに特筆すべきは“フィリーズ・キラー”であることだ。6試合とサンプル数は少ないながら、今季は19打数7安打(打率.368)、OPS1.086と優れた成績を残した。中でもサンチェス、ルザード、スアレスの3本柱相手には、計11打数5安打(打率.455)。打線では最大のキーマンと言っていいかもしれない。
▼ミゲル・ロハス
いぶし銀の好守が光るベテラン内野手は、今季は対左腕の強さが際立っている。今季の対左右別の成績は以下の通り。
対右:打数168 打率.238 1本塁打 OPS.594
対左:打数122 打率.295 6本塁打 OPS.879
対右と対左ではまるで別人。この点を買われ、シーズン終盤も左先発時はスタメン起用が増えていた。このシリーズでもそれは変わらないだろう。ちなみにフィリーズの三本柱ではスアレスと通算20打数6安打(打率.300)、二塁打2本と得意にしている。
▼エンリケ・ヘルナンデス
いつも陽気なムードメーカー、みんな大好きのキケも2つの理由からキーマンとして挙げないわけにはいかない。
まずは彼もまた左殺しであることで、対左腕の通算OPS.782は対右腕の.659を120ポイント以上も上回る。打撃不振に苦しんだ今季も、対左OPSは.682と対右(.578)を遥かに凌駕していた。
もう一つは史上最強クラスの“ポストシーズン男”であること。10月の舞台では通算88試合で15本塁打を放ち、OPSは.882。17年のリーグ優勝決定シリーズでは1試合3本塁打を記録したこともある。熱狂的なファンが敵意をむき出しにしてくるフィラデルフィアでも動じない男がいるとすれば、このキケを置いて他にいない。
▼トミー・エドマン
スウィッチヒッターのエドマンは、右打席ではパワーを発揮するという特徴がある。左打席では通算2182打席で38本塁打に対し、右打席では773打席で34本塁打。特に今季は122打席で7本塁打と、左投手を相手にした際はパワーヒッターに変貌する。三振も増えるが、OPS.809(左打席は.686)とトータルの攻撃力も右打席の方が高い。
また、キケ同様に大舞台にも強く、昨年のメッツとのリーグ優勝決定シリーズでは打率.407、11打点でMVPを受賞したことでも記憶に新しい。右足首を痛め、決して万全の状態ではないが、このエドマンのバットにも期待がかかる。
構成●SLUGGER編集部
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