昨年は宗山塁(明治大→楽天1位)と金丸夢斗(関西大→中日1位)が双璧の存在だったが、今年は完全に立石正広(創価大・二塁手兼三塁手)が頭一つ抜けた存在となっている。圧倒的な長打力はもちろんだが、打ち方に悪い癖がなく、右方向にも打てるというのが大きな魅力だ。さらに脚力と肩の強さもあり、あらゆるポジションを守れることを考えると、欲しくない球団はないと言えるだろう。10月13日には広島が1位指名を公言したが、5~8球団くらいの競合となりそうだ。
立石以外に1位指名が確実とみられるのが石垣元気(健大高崎・投手)、中西聖輝(青山学院大・投手)、竹丸和幸(鷺宮製作所・投手)の投手3人だ。石垣は常時150キロを超えるスピードがあって制球、コントロールもある程度のレベルにある高校生という希少性の高さが魅力。中西は即戦力という意味ではナンバーワンと言える完成度を誇り、竹丸は即戦力と将来性の両方を備えてなおかつ貴重な左腕というのが評価ポイントだ。単独での1位指名を狙う球団が結果として競合するという展開もあり得る。
野手では松下歩叶(法政大・三塁手)と小島大河(明治大・捕手)の東京六大学の2人も1位指名の可能性が高い。松下は強打の内野手では立石に次ぐ存在と言え、守備力の高さも光る。小島は捕手としての課題はあるものの、打撃の安定感は立石、松下を上回っており、元々内野手だけに"潰し"がきくというのもプラス要因だ。展開次第では最初の入札で単独指名を狙う球団が出てきてもおかしくないだろう。
上に挙げた6人以外は、展開次第で1位から3位以降まで残る可能性が高い選手が多い印象だ。投手で安定感を求めるなら毛利海大(明治大)、桜井頼之介(東北福祉大)、岩城颯空(中央大)、伊藤樹(早稲田大)などの名前が挙がり、逆にスケールと将来性であれば斉藤汰直、山城京平(ともに亜細亜大)、島田舜也(東洋大)、堀越啓太(東北福祉大)、藤原聡大(花園大)などの評価が高い。 野手では貴重なショートで抜群の守備力を誇る大塚瑠晏(東海大・遊撃手)、強打の内野手の谷端将伍(日本大・二塁手/三塁手)、打撃技術が光る秋山俊(中京大・外野手)、小田康一郎(青山学院大・一塁手)、抜群のスケールが光る平川蓮(仙台大・外野手)などの名前が挙がるが、投手も野手もそれぞれ一長一短で、できれば2位で欲しいと考えている球団も多そうだ。
また、高校生と社会人はランキング的には上位に入っている選手は少ないが、将来性や即戦力に思い切って舵を切る球団が出てくると、上位指名に浮上してくる展開もあるだろう。
最初の分かれ道は立石に向かうのか他の選手に向かうのかという点で、さらにどの球団が外したかによっても、その後の展開と先に名前が呼ばれる選手の顔ぶれも大きく変わってくることになる。例年以上に序列をつけるのが難しく、昨年の竹田祐(三菱重工West→DeNA1位)のように思わぬ選手が1位指名される可能性も高そうだ。果たして各球団がどんな決断を下すのか。ランキングを参考にしながら注目してもらいたい。
文●西尾典文
【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
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野手では松下歩叶(法政大・三塁手)と小島大河(明治大・捕手)の東京六大学の2人も1位指名の可能性が高い。松下は強打の内野手では立石に次ぐ存在と言え、守備力の高さも光る。小島は捕手としての課題はあるものの、打撃の安定感は立石、松下を上回っており、元々内野手だけに"潰し"がきくというのもプラス要因だ。展開次第では最初の入札で単独指名を狙う球団が出てきてもおかしくないだろう。
上に挙げた6人以外は、展開次第で1位から3位以降まで残る可能性が高い選手が多い印象だ。投手で安定感を求めるなら毛利海大(明治大)、桜井頼之介(東北福祉大)、岩城颯空(中央大)、伊藤樹(早稲田大)などの名前が挙がり、逆にスケールと将来性であれば斉藤汰直、山城京平(ともに亜細亜大)、島田舜也(東洋大)、堀越啓太(東北福祉大)、藤原聡大(花園大)などの評価が高い。 野手では貴重なショートで抜群の守備力を誇る大塚瑠晏(東海大・遊撃手)、強打の内野手の谷端将伍(日本大・二塁手/三塁手)、打撃技術が光る秋山俊(中京大・外野手)、小田康一郎(青山学院大・一塁手)、抜群のスケールが光る平川蓮(仙台大・外野手)などの名前が挙がるが、投手も野手もそれぞれ一長一短で、できれば2位で欲しいと考えている球団も多そうだ。
また、高校生と社会人はランキング的には上位に入っている選手は少ないが、将来性や即戦力に思い切って舵を切る球団が出てくると、上位指名に浮上してくる展開もあるだろう。
最初の分かれ道は立石に向かうのか他の選手に向かうのかという点で、さらにどの球団が外したかによっても、その後の展開と先に名前が呼ばれる選手の顔ぶれも大きく変わってくることになる。例年以上に序列をつけるのが難しく、昨年の竹田祐(三菱重工West→DeNA1位)のように思わぬ選手が1位指名される可能性も高そうだ。果たして各球団がどんな決断を下すのか。ランキングを参考にしながら注目してもらいたい。
文●西尾典文
【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
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