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プロ野球

【ドラフトでヤクルトが狙うべき選手】打力に秀でた野手をカテゴリーを問わず複数獲得して中長期の礎としたい<SLUGGER>

シュバルベ

2025.10.21

立石が第一候補になるが、クジを外した場合には小田の指名も選択肢になるだろう。写真:THE DIGEST写真部

立石が第一候補になるが、クジを外した場合には小田の指名も選択肢になるだろう。写真:THE DIGEST写真部

 10月23日にドラフト会議が行われる。各チームの育成状況や補強ポイントを踏まえた上で、「誰を指名するか」ではなく「誰を指名するべきか」という観点からドラフトを展望する。最下位に低迷し、村上宗隆のメジャー流出も控えるヤクルトはどのような戦略で臨むべきだろうか。

【基本方針】
バランス型

【補強ポイント】
●中軸を担うポテンシャルを持つ大学生のパワーヒッター
●球団のナレッジを活かせる先発・リリーフ両立型投手
●将来の中軸を担う打力を持つ高校生内野手

【理想の指名】
1位:立石正広(創価大)
3位:田村剛平(京都産業大)
4位:高田庵冬(仙台育英高)

 多くの故障者に悩まされ2020年以来の最下位に沈んだスワローズ。最も深刻なのは、神宮球場という打者有利な球場を本拠地にしながらOPSリーグ5位と奮わなかった野手陣だ。主砲の村上宗隆が今オフにMLB挑戦を表明、残されたメンバーだけでは今季の停滞からは抜け出せずドラフトでの野手補強は最重要課題だ。

 一方、投手陣はルーキーの荘司宏太の台頭や星知弥らが健闘し、リリーフは基盤が整った。先発も吉村貢司郎、山野太一、奥川恭伸、髙橋奎二が揃って1年間回ることに期待したいが、先発投手の補強はこのチームにとって永遠の課題でもある。

 球界屈指の強打者が抜けるサードの穴埋めとして、今ドラフトの目玉である立石正広(創価大)はぴったりだ。パワーにもミートにも秀で、打球の速度も角度も両立できる打撃は今年のドラフト候補の中でも頭一つ抜きんでている。インコース攻めにも動じず、じっくりと甘いボールを待てる根気強さは中軸打者としての心身の強さを感じさせ、三塁守備での前に出る動きの速さや肩の強さはプロでも十分強みにできる。攻守両面で村上の穴を補完したい。

 立石を外した場合も、今年は打力のある大学生候補が多い。大学日本代表で中軸を担った天性のバッティングセンスを持つ小田康一郎(青山学院大)もフィットしそうな選手だ。北村恵吾や赤羽由紘、そして内山壮真も内野のレギュラーを窺う状況はいえ、故障者に泣かされてきたこの3年間を考えると、打力さえあれば出番はついてくるだろう。
 神宮球場という傾斜の緩やかなマウンドの地の利を活かすサイド~アンダーハンドの投手は伝統的にこのチームで活躍を見せてきた。田村剛平(京都産業大)はこの秋にチームを7年ぶりの優勝に導いたサイドスロー投手。強烈なシュート系のボールと鋭く曲がるスライダーと横幅を広く使えるため、プロの右打者でも相当嫌がるはずだ。青柳晃洋を獲得し、下川隼佑も活躍の兆しを見せる中、アームアングルが低く、先発・リリーフどちらでもタフに1年間投げ抜くことができる投手は投手陣の層に厚みをもたらしてくれるのではないか。

 今年は高卒ルーキーの田中陽翔が二軍で活躍、最終盤に一軍でも才能の片鱗を見せた。村上、山田哲人、川端慎吾とチームのスター選手の多くが高卒から羽ばたいていったことを考えても、高田庵冬(仙台育英)はぜひとも欲しい素材だ。チームの他の22歳以下の野手と差別化ができる右のパワーヒッター。がっしりした体躯から繰り出されるスウィングスピードは高校生離れしており、タイミングの取り方も上手い。夏の甲子園で放った本塁打はその真骨頂というべきもので、サードの守備面でも安定した動きを見せた。

 すでに池山隆寛新監督は来季の方針として打の面を強調しているが、まさに打ち勝ってこそこのチームは輝きを放つ。打力のある選手をカテゴリー問わず獲得し、中長期の礎としたい。

文●シュバルベ

【著者プロフィール】
オリックス・バファローズと東京ヤクルトスワローズのファン。卒業してから足を運んだ東京六大学野球で東大の勝ちを見届け、アマチュア野球"沼"にも片足突っ込んでしまった野球好き。X(旧Twitter)IDは「@love_uni31」。

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